戦略と情熱で仕事を作る ~自分の強みを見つけて自由に生きる技術~ (松永直樹)
これからはライフシフト講座リニューアルに向けて、このブログもライフシフト的なトピック多めでご紹介していきたいと思います。
この本はいわゆる「好きなことを仕事にする」という「ライフシフトど真ん中な生き方」をされている方の本ですね。
ちなみにこの方の肩書は「ボードゲーム・ソムリエ」。
この肩書からも、いろんな生き方ができる時代になったんだなと、ほんと痛感します。
そして共感する部分も多かったので、改めて感じたことをピックアップしてみました。
やりたいことがわかったあとも紆余曲折
この著者さんは、現在は「好きを仕事に」のど真ん中な生き方をしておられますが、そこに至るまでは紆余曲折あり、一旦好きなことをみつけてもキャリアにつながらず、一旦「普通の就職」をして、そしてまた挑戦して、今がある。そんな方でございます。
ということで話を遡ると、「自分の人生の軸はボードゲームだ」ということには大学時代に気づくのですが、その後まっすぐ突き進むわけでなく、大いに迷走します。
大学時代はボードゲームに関わるいろいろな活動をしたものの、それがお金につながるとイメージできず、また大学生であるがゆえに、人と違う活動をしているという一種の優越感のようなものに満足してしまいます。
そして、そこから元々の超安定志向が顔をだし、普通に就職します。しかし、そこでのいわば「個性を消してロボット化させる」という一般企業での通常の通過儀礼に嫌気がさし、2か月でやめてしまいます。
そしてその後、知り合いの人からベンチャー起業に誘われ、joinします。しかし、ベンチャー企業では馬車馬のように働くも、その会社は3か月で終わってしまいます。そして実家に帰って引き籠もります。
その後、カーネギーの「道は開ける」を読んで元気が出て、再びスイッチが入り、まずは飲食店のバイトから再始動し、その後はよくあるベンチャー創業のごとく、圧倒的な行動力でいろんな紆余曲折を乗り越え、「ボードゲーム・ソムリエ」としての地位を確立します。
私自分もやりたいことを見つけたけど、ときどき感情が湧いてこないときがあって不安になることもある。好きなことといえど、感情には波がある。ずーっとハイテンションでやっていくわけではない。
好きなこと、やりたいことが見つかったとしても、以降は必ずしもそれに一直線に邁進、というパターンだけではない。
一時的に寄り道して、また戻って、という長期的な取り組みもある。
松永さんの生き方から、そういう心の柔軟さをもってやっていきたいな、と思いました。
自分の強みにはなかなか気づきにくい
普通の人よりある程度詳しいと思っていたボードゲーム。
でも松永さんは当初、それが自分の強みと言えるものだとは考えもしなかったそうです。
MARKさんというメンターの方から教えてもらって初めて意識したとのこと。
自分の強みというのはなかなか自身ではわからないもので、自分が思っていることと他者から見えているものは、往々にして違うんですよね。
これは本当にあるあるでして、私もライフシフト講座の中で才能プロファイリングというメソッドでその人の才能の源泉(≒やりたいことの根源となる要素)を導きますが、こういうケース、多いです。
プロファイリングを受けている側としては
「何かすごい、高尚な、人に”おおーっ”と言ってもらえるような才能」
を期待されることもありますが、たいていの場合、そんなものではなく、
「自分にとって普通のこと」
だから、「えっ?それなんだ」と若干テンションが下がるケースさえあります(笑)
だけど、それは自分にとって当たり前と思っていても、他者からみたら特別なこと。
人はなかなか自己客観化できないので、それに気づけないんですね。
自分にとって当たり前のことだから、何ら特別なことだとは思わない。
自分にとって当たり前だから、他の人も同じように感情が動いたり、行動に移したりしてると思い込んでいる。
でもそうじゃないんです。
もう少しいうと、さらに気づかないケースは、その才能の源泉が「よくある一般的なもの」で、「確かに他の人も同じ欲求をもってそうだな」と思えるケース。
でも、その場合でも才能の源泉になる場合があります。
それは、それに対する感情・欲求の強さがカギとなります。
確かに多くの人が多かれ少なかれそういう感情をいだくけど、その感情の動きが人よりも大きい場合。それへのこだわりが人一倍強い場合。
その場合、「一般的に思えること」でも、才能の源泉になりえます。
好きを細分化して考える
たとえばサッカーが好きだと思っても、その好きの種類は人によってさまざまです。
プレイすることが好きなのか、試合を見ることが好きなのか。
選手が好き、ゲームが好き、グッズを集めるのが好きなど、どう好きなのかを具体化していくこと。
私もJ1リーグの川崎フロンターレのファンでシーズンチケットを買って試合を観に行っていますが、まず私がフロンターレというチームが好きなのは、元々地元だったことと(スタジアム近くに10年住んでました)、フロンターレの経営姿勢とこれまでの苦難のストーリー。
そして、試合観戦で最も好きなところは場の臨場感。
等々力劇場とも言われる、終了間際に勝ち越す瞬間などはスタジアムが揺れるようで鳥肌が立ちます。一方で、プレイするほうのサッカーは苦手で嫌いです(笑)
著者の松永さんは、ボードゲームの中でも、勝敗で楽しむゲームよりも、ゲームの途中、みんなで楽しめるボードゲームが好きで、その楽しんでいる空間がとても心地よく大好きなんだそうです。
なので、ボードゲームに関する職業の中でも勝負を賭けるプロゲーマーではなく、必勝法を伝える人でもなく、ゲームを作ったり紹介したりする方向に向かったとのことです。
この「好きの細分化」、最近の流行りの言葉でいうと「解像度をあげる」にも通じることだと思いますが、これは才能プロファイリングにおいても同じです。
感情が動いたエピソードの中で、具体的にどの瞬間のどんなことに心が動いたのか、そこをインタビューで見極めていきます。
そのような形で複数のエピソードを聞いていくと、「抽象化すると同じ」状況が見えてきますので、それが「才能の源泉」になります。
ちなみにこの「好きの細分化」を私が説明するときには、チュートリアルの漫才「BBQ」ネタを例に話すことがあります。どんなふうに説明しているかは、当該ネタをググってみて想像してみてください(笑)
「お金をもらう」という決断をする
これは、私は「お金の受け取り力」と言っていますが、好きなことを仕事にしていくうで、結構高いハードルとして存在します。ものすごく勇気がいることなんですね。
これは完全にメンタルの課題です。
「自分が好きでやっていることなのに、お金をもらっていいんだろうか」
という罪悪感からくるんですね。
私も経験ありますが、「お金払いますよ」と言われても、「いやいやいや」とナゾの遠慮が出てくるほど、根深いメンタルブロックです(^^;)
我々は一般的に、「仕事=我慢すること」という価値観に大きく影響されてきていますので、「楽しんでお金をもらう」ということにそれだけ抵抗があるってことなんでしょうね。
もちろん、ある一定品質に到達するまでのトレーニングは無料でお願いしながらやる必要がありますが、あるレベルまで到達したら、そこからは自分の心との闘いです。
まずはコーヒー一杯、おごってもらうところから。
今サラリーマンの人で、今後ライフシフト的な生き方に転換していきたいと思っている人はおそらく避けては通れないステップだと思いますので、私も講座やコーチングの中で応援していければと思っています。
以上、結構ながくなってしまいましたが、今日はこのへんで!