【人は死なない】(矢作直樹)
いつもとは違う、スピリチュアリティ系の本です。でも、ふわっふわしたスピスピ系な本ではありません。
サブタイトルの「ある臨床医による摂理と霊性をめぐる思索」というちょっとカタい表現からも想像がつくかもしれませんが、お医者さんである著者が、
まずは西洋医学の科学的見地に立ち
一方で科学では説明のつかないことをいろいろ経験され
さらに西洋で進んだスピリチュアリティの科学的研究結果を踏まえ
一定の見解を述べている本です。
なので私としては、科学的に証明されないことでも、かなり納得のいく部分が多かったです。
特に「そーゆーことかー!!!」と強く思ったのが、近代スピリチュアリズムにおける共通する本質論である「魂と体の概念」です。
ちょっと長いけど、ご紹介がてら書いてみます。
・生死に関わらず肉体から離れても存続する存在を「真体」と呼ぶ
・真体は、肉体と全く同じサイズ、スタイル、個性を持っているが、電磁波のように肉眼では見えないとされる
・そして、肉体をまとっている(生きている)真体を「魂」、肉体を脱ぎ去った(他界した)真体を「霊」と呼ぶ
・人間はコンピューターを内蔵した着ぐるみを着たようなものであり、電源を持った魂が、近代スピリチュアリズムでいうところの「シルバーコード」でその着ぐるみと繫がり、スイッチを入れた状態になっている
・この例えでいうと、魂はシルバーコードを介して電気を流し、着ぐるみ及びコンピューターを操作したりメンテナンスをしていることになる
・ここでいうところの
着ぐるみとは「肉体」
コンピューターは「脳」
魂によるコンピューターの活動は「精神(心)」
精神活動の状態が「意識・無意識」
精神活動の結果生まれるコンテンツが「記憶」である
・なお、記憶は肉体の脳だけでなく魂にもカーボンコピーのように全く同じように共有される
・魂自体は他の魂や例と交感することができ、互いの姿が見え、声が聞こえ、自由に空間を移動することができる
・ただし、着ぐるみ(肉体)をまとうとそれらの能力は封じられる
・ごく稀に着ぐるみをまとっても魂の機能が顕れる人間がいるが、そうした人々が一般に「霊感、霊力が強い人」と呼ばれている人々である
・着ぐるみは、それだけでは動かない。電源を入れて動かすのは魂である。
・いわゆる対外離脱(幽体離脱)とは、着ぐるみを動かす魂がシルバーコードを切らず一時的に着ぐるみを脱いでいる状態のこと
・死とは、この魂がシルバーコードを切って(電気を止めて)着ぐるみを捨ててしまった状態のこと
・そして、魂を失った着ぐるみ(死体)は朽ち果てていくだけ
・また、憑依とは、他界した真体(霊)が他者(他の魂が動かしている着ぐるみ)の心身が不調なときなどに許可なく入り込み、元の魂を押しのけて勝手に着ぐるみを操作している状態のこと
・そして、他界した真体(霊)を意図的に自分に重ねる(通常は降霊役の助けを借りる)状態にすることを交霊という
このロジックを読んで、たまに聞く「幽体離脱」やいわゆる「見えちゃう人」、イタコさんのような方々、さらには二重人格についても、「そーゆーことか!」と腑に落ちました。これなら理屈が通ります。
真体はずっと存在し続ける。
生きている、死んでいるというのは、「着ぐるみ」を着ているときだけの話。
だから「人は死なない」。
自然界、地球、宇宙に関しては、科学的に解明できないものだらけ。
その不思議を作っているものを著者は「摂理」と呼んでいて、田坂広志さんの表現でいうと「大いなるなにか」ですね。
その摂理をベースとしつつ、ご自身の経験と研究から導く矢作さんのロジックは、非常に納得感がありました。
じゃあそれをふまえて、という話も本当はしたいんですけど、新庄編と同じくまた長くなりましたので今日はこのへんで(笑)