気ままに誤読録

著者の意図とは違うかもしれないけど、自分なりの気づきを「誤読」として紹介していく、そんな読書ブログです。

(続)【わいたこら。】(新庄剛志)

ご好評につき!?、新庄剛志、続編です。

 

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前回は、才能心理学のメカニズムに照らし合わせて、新庄の成し遂げた偉業を説明しました。

一方でですね、読まれた方の中にはふと疑問に思った人もいるんじゃないかと思うんです。

 

「ほんまにそれだけであれだけの成功ができるのか?」と。

 

才能心理学における才能の定義は

 

「心を突き動かす感情を 行動に移した結果 生み出された能力」

 

心を突き動かす感情とは、強力なモチベーションの事なので、そのモチベーションを伴った行動は「継続」します。


行動が継続されると、一万時間の法則でも言われているとおり、能力が磨かれ、結果その領域のプロレベルになる。それを才能と呼んでいます。

 

この考え方でいくと、我々普通の人のような、例えば今の会社で成果を出すとか、目指したい転職が実現するとか、それなりのレベルであれば実現性は高いと思っています。

 

しかし新庄が達成したような圧倒的なレベルは、それだけでは難しい側面があります。

 

日本のプロ野球だと、支配下登録選手は80人ほどいて、毎年10人前後が引退と入団で入れ替わります。その中で1軍でレギュラーになれるのは、投手を除くと8人。その限られた人数の中に入り込まないといけません。


さらにメジャーリーグなんて、規模もレベルも違うのでその比じゃありません。

 

ということで、そのようなレベルまでいくと、実力だけでなく、「運」も必要になってきます。

 

新庄選手自身もそれを痛感していて、の本は5章構成ですが、そのうちの1章を「運」に割り当てて書いてます。

 

本を読んでいただくとわかるのですが、新庄も相当な「努力」の人で、トレーニングはむちゃくちゃやってます。でもそれだけじゃ無理で、運が必要だと、彼自身の経験から言っています。

 

例えば阪神でレギュラーを掴むまでの話をすると、

 

助っ人外国人のオマリーが怪我をして、代わりにスタメン起用される

オマリーが怪我から戻ってきてスタメン落ちしそうになったら、たまたま久慈がケガをして久慈の代役としてスタメン落ち回避

久慈が怪我から戻ってきてスタメン落ちしそうになったら、たまたまセンターの八木が大スランプ。八木の代わりに新庄がセンターに入る。

センターは本職なので、実力を発揮し、レギュラーを掴む

 

という気味が悪いくらいのめぐり合わせ(笑)


このエピソードから新庄は

 

「人がチャンスをものにするときは、自分の力を超えた不思議な力が働いている気がしてならない」

 

と言っています。

 

そんな運が良かった新庄ですが、ではどうやったら運がつかめるのか。


新庄は彼の幼少期からの経験も踏まえ、こう言ってます。

 

苦しそうにやってるヤツには運はこない

(夢中に)楽しんでるヤツには運がくる

ワクワクした気持ちでやっていたら、必ず自分の力以上の力を出せるようになる

だから、強運の持ち主になりたかったら、絶対に楽しんだほうがいい

 

あと、「運」のパートではないけど、こういうことも言っています。

 

僕はメジャー入りして成功すると信じていた。いや、信じていたんじゃなくて、決めていた。大事なのは、成功する前から成功すると「決める」ことだ。

 

このあたりの話、分かる人にはわかりますよね?


新庄自身は意識してないけど、言ってることは宇宙の法則とか、思考は現実化するとか、脳科学の話とか、いわゆる引き寄せ系のロジックです。

 

この「科学では証明できないけど、あるんだろうな」的な話、ここでも出てきました。やはりそういう摂理というか、大いなる何かのようなもの、あるんでしょうね。

 

で、さらに考えるとですね、新庄はこの引き寄せを起こすようなポジティブマインドをどうして持てるようになったのか?

 

これはほぼ確実に父親の影響だと思いました。


第4章が家族のパートにあてられていますが、書かれているのはほとんど父親についてです。

 

ものすごく破天荒な父親だけど、仕事はプロとして遂行する。そんな父親をカッコいいと思いながら育ち、さらに父親からプロ野球選手になるよう応援されます。

 

新庄の書きっぷりからは、それはプレッシャーをかけるような形ではなく、おそらく心からの応援で、新庄も「親から応援されている」と強く感じながら育った印象を受けます。

 

だから、「自分はプロ野球選手になれる」と思って日々の練習に取り組めたんだろうと思います。

 

ちなみにこれと同じ光景だなと思ったのは、先日観たビリギャル。

 

彼女の場合は母親の心からの応援がありました。

 

父親とはうまくいっていなかったけど、それをはるかに凌駕する母からの愛がありました。だから「自分は大丈夫」というポジティブなマインドが育まれ、あの偏差値の状況で、「わたし、慶応に行く」と「決める」ことができたんだと思います。

 

そう考えると、心から信じて応援すること、ってのが本当に大事なんだなと改めて思います。特に子供時代の影響は大人になってからも引きずるので本当に大事。てなことを新庄の本とビリギャルから強く感じたここ数日間でございます。

 

このタイミングでたまたまAmazonPRIMEでビリギャルをみたというのも、僕にとって何かの引き寄せかもしれませんね😎

 

と長くなりましたが、前編、後編とお送りしました新庄剛志スペシャル、いかがだったでしょうか?(笑)


彼の人生、これからも注目していきたいと思います🙂