【45歳の教科書】(藤原和博)
ご存知、「情報編集力」「100万分の1人材」の藤原和博さんの新刊です。あすか会議の動画を拝聴するに、今までになかった「信用」についていろいろ語っているのが気になったので読んでみました。
今回新しい視点である、その「信用」について。
本書では「信用=理性による信頼×感情による共感」と定義されています。で、その信用の総量を「三角錐」の容積に例えています。
その三角錐は、底面が「100万分の1人材」の元となる「3つの専門性」を頂点にした三角形、そして高さは「その専門性を活かす行動のベクトル」といったところです。
この三角錐の容積が自分自身が築く「信用の総量」であり、その一部を現金化したものが「報酬」で、残りの部分は「自分の人生を豊かにするために活動できる範囲」としています。
藤原さんのこの解釈には、自分としても「そうだよなぁ」と強く思う部分が2点ありました。
まずは「行動のベクトル」となる「三角錐の高さ」について。
藤原さんはこの三角錐の高さとなる「行動」は、「社会にどう貢献していきたいか」「自分の人生をどのような価値あるものにしていきたいか」という、「自分としての信念、ポリシー、哲学、美意識」といったものに基づいてなされるべきだと言っています。
これは私がかねてから才能心理学の観点から言っていることと一致しているので激しく同意でして、なぜそう思うのかというと、逆に「そうじゃない場合にどうなるか」を考えてみるとわかりやすいかと・・・
もし自分の行動指針がなく、他人から求められることをひたすら応えていく場合、手綱を他人に握られているので、三角錐の中身は時と場合によっていろいろ変わってくると思います。心がポジティブになったり、ニュートラルだったり、ネガティブになったり。
そう考えると、これは僕なりの感覚ですが、他人に指示された行動の結果、自分がどんな感情になるかで 「三角錐が放つ輝き」 が結構変わってくるんじゃないかと。
気持ちがポジティブになる場合は「光り輝く三角錐」、可もなく不可もなくの場合は「普通な感じの三角錐」、そしてすごく嫌なことをやっている場合は「ドス黒さ満点の三角錐」、みたいな(^^;)
例えば極論ですけど、財務や法務の専門スキルがあっても、その行動のベクトルが「粉飾決算に手を貸す」だったりすると、ドス黒さ満点ですよね。。。
そういうことを避けるためにも、行動の手綱を自分の手に取り戻したいし、自分に手綱を戻すためには「自分としての信念、ポリシー、哲学、美意識」に沿って行動することが大事なんだなと思います。
でも、最初からそのように行動するのもなかなか難しいので、まずは他人からの期待に応える形で信用を積み上げていき、どこかのタイミングで「自分の美意識に基づく行動」に徐々に移行していく。そんな感じじゃないでしょうか。
と、ちょっと1点目が長くなりましたが、もう1点の印象に残ったところは「信用の積み上げとマネタイズ」について。
これは、なるほどなと思った箇所を↓に引用文でそのまま載せます。
報酬のことだけを考えれば、クレジット(信頼と共感の総量)を全部換金すればいいでしょう。
しかしそれだと、自分が自由に活動できる範囲が全くなくなってしまいます。
そのため、新たなクレジットを積み上げるための余裕が生まれず、報酬を今以上に増やすことも難しくなります。
報酬は決してクレジットより先に立つものではなく、クレジットがあってこそ手にすることができるものです。
この件は、自分がこれからやろうとしていることについて、背中を押してもらえたような感じでちょっと嬉しかったです。
「信用の積み上げ」と「信用の換金」、順序に気を付けつつ、両方大事にしながらやっていきたいと思います。