【すべては導かれている】(田坂広志)
言わずと知れた、田坂師匠の本でございます。
巷にあふれる軽いタッチの引き寄せ系とは違って、深いです。
また、「全ての逆境は天が与えた試練だ。逃げるな!」的なマッチョ系ポジティブ強制とも違って、深いです。
唯物論的思考、論理的思考を極めた田坂さんの言葉だからこそ、自分としては納得感があります。
自分もこのような考え方に沿った生き方を始めたつもりでしたが、ほんの入り口に立っただけ、ということに気づかされます。
なぜ、こうした不思議なことが起こるのか。
これまでの科学は、こうした問いに対して、
人間の精神の活動は、全て脳神経の働きであり、
そうした「不思議な出来事」と思えることは、
すべて、脳の活動が生み出す「錯覚」や「幻想」であると答えてきました。
私も永く科学者としての道を歩んできた人間ですので、
こうした説明には、たしかに納得したくなる部分もあるのですが、
やはり、人生において、数々の「不思議な出来事」を体験してくると、
そうした唯物論的な考えだけでは、どうしても説明がつかないことがあるのです。
(中略)
それが、いかなる逆境であっても、
「すべては導かれている」という覚悟を定めるならば、
その瞬間から、
我々の心の奥深くから、不思議な力と叡智が、湧き上がり始めます。
我々の人生において、不思議なことが、起こり始めます。
その一つのことをお伝えしたいと思い、本書の筆を執りました。