気ままに誤読録

著者の意図とは違うかもしれないけど、自分なりの気づきを「誤読」として紹介していく、そんな読書ブログです。

「夫婦神話」を捨てたら幸せになっちゃいました(心屋仁之助)

私のブログに何度か登場していただいている心屋仁之助さんが、ご自身の夫婦生活に悩み、苦しんだ結果、見つけ出した素晴らしき法則。

バツイチの私が言うのもなんですが、全夫婦、全パートナーにお配りしたい一冊でございます。

 

f:id:masaki53so6:20190825110010j:plain

 

この手の「こうすれば結婚生活うまくいきますよ」的な本というのは、単なる正論をふわふわーと書かれるとあまり心に入ってこないのですが、この本は心屋さんがご自身の黒歴史を「恥ずかしぃ~^^;」と言いながら自己開示しつつ、いろいろ失敗し、試行錯誤していった結果、導かれた1つの方法論なので、まず「共感」ができます。

 

そして、共感だけでなく、その理論・考え方も、私としては「あるある」すぎて、非常に納得できる一冊でございまして。

 

ということで、特に印象深いポイントを簡単に4つ、ご紹介したいと思います。

 

1.「謎のマイルール」

これ、ほんとあるあるです。個人個人、謎のマイルールを持ってるんですよね。その謎のマイルールというのは、通常、それまでのその人の人生経験によって培われます。その人が育った家庭内のルールも強く影響したりしますよね。

 

そして、「それは当然守られるべきことだから、あなたもこのルール守るよね?」と相手に対して勝手に期待するんですね。

 

でも、相手はそんな謎ルールなんて知るわけないから、当然守らない。となると、「なんで守らないんだ!」と怒るという、という非常にもったいない、不毛なやりとり。

 

心屋さんの場合は、

 

「普通、妻という生き物は、日が変わるまでに帰ってくるだろう」

とか

「タクシーの中では、運転手と気さくに会話すべきだろう」

とか

「食べ物は残しちゃだめだ」

 

といったマイルールがあったそうです。

 

でも、奥さんの智子さんはそれをことごとく破る(笑)

 

そんな奥さんをみて、最初は心屋さんも「なんでやー!」とプンスカ怒っていたのですが、そのルールを守っていなくても、友達がたくさんいて、友達から愛されて生きてきた奥さんをみて、「こんなんもアリなんや!」と思うようになり、徐々にマイルールを犯しはじめたそうです。

 

そして、それらマイルールを犯し始めると、人生が劇的に良い方向へ変わっていったそうです。

 

ルールというのは通常、”しばりつけるもの”。

一種の呪縛ですよね。

心屋さんの場合は、ルールを守らないと嫌われる、周りから怒られると怖がっていて、そのルールを守って守って苦しく生きてきたこと、キューキューして生きてきたことに気づかれたそうです。

 

そんなマイルールから解き放たれると、新たな自由の世界が得られます。

そんな新たな自由の世界に連れて行ってくれる人が、もともと「他人」であった夫婦である、ともいえるんじゃないでしょうか?

(お前が言うと説得力がない、という声が聞こえてきそうですがw)

 

もちろんですね、この点には程度問題もあって、「ここは譲れない」「譲っちゃいけない」というルールもあると思います。ですが、それを破ったところで実はたいした問題も起きない謎のマイルール、結構いっぱいあると思うんですよ。

 

ということで、謎のマイルールに拘って、無駄に夫婦関係を悪化させていないか、一度自分の胸に手を当てて振り返ってみるのもアリかと思いますが、みなさんいかがでしょうか??

 

2.「飛ぶ族」と「飛ばね族」

これは別名「前者・後者論」とも言われる、心屋さんの有名な理論ですね。

この理論も、心屋さんが智子さんとの夫婦生活の中で、「なんでこんなに考え方や行動特性が違うんだ?」ということに悩みぬいた結果、生み出された理論とのことで、そのルーツは夫婦関係だったとのこと。

ここではその理論は紙幅の都合上紹介しないので、ご存知ない方は以下のリンクをご参照ください。

 

ポッドキャスト


【ブログ】

 

 

この理論の活用のポイントは、

「相手は、”考え方の違う人種”かもしれない」

と認識することです。

そしてこれは、パートナーシップのみならず、あらゆる人間関係に適用できます。

 

人は、

「相手も自分と同じ考え方をするはずだ」

「相手も同じことに気づいているはずだ」

と勝手に信じ込む傾向にあります。

 

ですが、この「飛ぶ族・飛ばね族」理論は、世の中には大きく分けて2種類の全然違う思考・行動タイプの人種がいることに気づかされます。

 

そして、その「違い」を認識できるようになると、自分の思い通りにならない相手を、「そりゃ人種が違うからなぁ」と許せるようになり、無駄で不毛な争いが減ります。

 

さてあなたは、飛ぶ族でしょうか?飛ばね族でしょうか?

なんかうまくいかないあの人は、自分とは違う人種なのではないでしょうか?

 

この考え方を知って、私自身、対人関係をすごく楽にとらえられるようになったので、ぜひみなさんも意識していただければと思います。オススメです。

 

3.「ふーん族」と「めっちゃ族」

これも心屋さんの有名な理論で、「飛ぶ族・飛ばね族」に並ぶ2大理論でございますが(笑)、ことパートナーシップにおいては、個人的にはこっちの理論のほうが、及ぼす影響がより大きいと思っています。

 

こちらも、理論についてはまずこちらをご確認いただければと思います。

 

ここでは、パートナーシップにおける「ふーん族・めっちゃ族」による悲劇について、本文中から抜粋したいと思います。

 

【「私が作ったご飯、美味しくないの?」問題】

たとえば、めっちゃ族の妻とふーん族の夫のパターン。

妻は腕によりをかけて料理を作ったとします。でも・・・

 

ふーん夫:モグモグモグ(無言)

めっちゃ妻:ねえ?今日のご飯、どう?美味しい?

ふーん夫:あ~、うん。

めっちゃ妻:あ~、うん、じゃなくて、ねえ、美味しい??

 

妻は、「私の料理、美味しくなかったのかしら」と落ち込んだり、何も言ってくれない夫に対してイライラします。

そして夫は、「美味しくなかったら食べないから」と心の中でつぶやきながら、やたらリアクションを求めてくる妻に疲れてしまうのです。

 

どうでしょう?

このような光景、結構想像できるんじゃないでしょうか?

 

これは「ふーん族・めっちゃ族」という「人種の違い」から生じる問題ですけど、このように本当は問題じゃないんですよね。これを理解できていると、「あ、ふーん族だからそんな反応なのね」と冷静に受けとめることができ、無駄で不毛な争いや気分の落ち込みは回避できます。

 

そのほか、

「本当に反省しているの?」問題

「プレゼント嬉しくないの?」問題

「私のこと愛していないの?」問題

など、あるあるな事例が書かれていますので、ぜひ本を手に取ってご覧になっていただければと思います。

 

あと、パートナーシップに関わらず、このふーん族・めっちゃ族問題で気をつけるべきこととして、「サプライズ問題」があります。

めっちゃ族の人が良かれと思って、ふーん族の人に対してサプライズを仕掛けると、ふーん族の人は「え~、これむっちゃ喜ばなあかんのかな?」と思い、気を遣って大げさに喜ぼうとしてすごくぎこちなさが出てしまったり、それを見て仕掛けた側ががっかりしたり、壮大な悲劇が起こります(笑)

お気をつけあれ!

 

4.「夫婦神話」を捨てたらもっと幸せになれる

 ここでいう夫婦神話とは、「夫婦たるもの、こうあるべき」という世間的な価値観のべき論ですね。

 

たとえば「おしどり夫婦」という言葉に代表されるような、

「いつも一緒に趣味を楽しみ」

「良く語り合い」

「手をつないで寝る」

そんな仲良し夫婦がいい、みたいな神話ですね。

 

でも、その「神話的な生き方」が本当に心からやりたいことであればそれでいいのですが、もし違っていたら「やりたいことを我慢し、やりたくないことをやる」という人生になってしまいます。

 

やはり夫婦はもともと「他人」ですから、やりたいことも違って当たり前。

だから、心の絆を感じつつ、やりたいことはそれぞれ好きなことをやったほうが、幸福感を高めるうえでも、死ぬときの後悔を減らすためにも、絶対いいと思っています。

 

それをやらずに、世間的な「神話」を守ることを優先して、我慢して、我慢して、生活をしていくと、それはそれはしんどい生活になります。※これは私の経験談でもあります(汗)

 

なので、この本の最終章は、神話の呪縛に縛られず、夫も妻も、やりたいことをやろう!というメッセージです。

 

そして、そのように生きるうえで大事になってくるのは、神話を固く信じている人たちからのノイズに振り回されない、ということですね。

アドラーでいうところの「嫌われる勇気」

心屋さんの表現でいうところの「嫌な思いをする覚悟」

です。

 

神話に囚われない、夫婦生活における「自分の人生」、生きていきたいですね!

 

以上、お伝えしたい4つのポイントについて書いてみましたが、さらっと読めますので、より多くの夫婦の方に読んでいただけたらなぁと思います!

 

ということで今日はこのへんで。