「時間がない」から、なんでもできる!(吉田 穂波)
いままでにない視点のタイトルでしたので、ちょっと惹かれて読んでみました。
産婦人科医として働きながら、そしてお子さん3人(3歳、1歳、生後1ヶ月)を育てながらという超時間がない中、工夫して勉強をして、ハーバード留学を実現した人による時間術に関するお話です。
全部は読んでおらず、斜め読みではございますが、気になったポイントを4つ、書いてみたいと思います。
時間がないからこそ”やる気”がでる
「あれもやりたい」「これもやりたい」
「でも時間がない!!!」
という状況に陥っている方も多いのではないかと思いますが、
著者の吉田さんのメッセージは
「時間がない」という状況だからこそ、「あれもやりたい」「これもやりたい」というエネルギーが湧いてくる
ということですね。
なので、
そのエネルギーを活用しよう
ということ。
これが「時間がないからなんでもできる」のコア部分で、あとはそのエネルギーを利用して、「時間の密度」あげていくいろんな工夫をしよう、という本でございます。
or思考じゃなく、and思考で
時間がないと、まずは「これをやるためには、あれを止めなければ」という、「あれか、これか」の「or思考」になりますが、吉田さんのメッセージは
「あれも、これものand思考で行こう」
でございます。
そういうマインドで考えだすと、脳がいろいろ考えだして答えを見つけてくれるとのことです。
そしてここで大事なのは、「完璧にやろう」と思わないこと。
ちょっとでもいい、たとえば
勤務後の勉強会に出たいけど帰らないといけないので出られない
という状況でも、
全部は出られないけど、最初の40分だけ出る
といった工夫ですね。
「40分だけ出る」だけでも、全く出ないよりは得られるものが全然違います。このように、いろいろ条件を緩めつつ、「どうしたらandで行けるか」を考え続けることが大事、ということですね。
べきを手放す
これもさきほどのand思考の「条件を緩める」に通じる話ですね。
具体的にいうと、家事の「こうすべき」をどれだけ手放せるか。
吉田さん夫妻は、家事・育児の中でも、こことここは自分たちでやって、あとはヘルパーさんに任せる、ということで時間を生み出しているそうです。
比率でいうと、家事・育児の総量が10あったとして、
自分:3、夫:3、ヘルパーさん:4
くらいの割合で家庭を回しているとのことです。
で、ヘルパーさんにお願いするとなったとき、まずはお金の問題が出てきますが、それがクリアできたあとに出てくる最大のハードルは、心理的ブレーキです。
家事・育児をアウトソースすることによる罪悪感ですね。
で、それはつまるところ、「世間の目を気にする」ということです。
「世間の目」を気にして、時間を生み出すことをあきらめ、夢もあきらめるのか。
それとも世間の目という「べき」を手放して、夢を追うのか。
そこの選択の話ですね。
そしてここの話でもう1つ印象に残った点は、
自分と夫が担当する家事・育児の総量を減らすことで、夫婦間のストレスを減らすということ
家事・育児の総量が10のままだとやはり大変で、夫婦で分担したとしても、どうしても奥さん側の負担が多くなってしまい、不公平感を感じる。
一方で、夫も仕事が大変な中、頑張ってくれているのもわかる。
わかるけど、どうしても不公平感は募ってしまう・・・。
そういうときの方法として「夫を教育する」という方法が王道なのかもしれません。
ですが、それよりもヘルパーさんに手伝ってもらって、妻、夫が負担する家事・育児の総量を減らしたほうが、お互い楽になって、ストレスをため込まずに済む、というのも吉田さんのメッセージです。
環境の大切さ
これは吉田さんのラジオ体操の経験談によるお話です。
公園に行くラジオ体操を続けていたところ、時間密度をあげるという観点では、公園までの行き帰りの時間がもったいないし、Youtubeをみながら家でもできるから、家でやろうとしたら、続けなくなってしまったというお話です。
みなさんも何となくこの感覚、分かるのではないでしょうか。
そう、ラジオ体操は、公園という場所があって、そこにみんなで集まってやるからこそ、続けられるんですよね。
行動を継続するのに、そのような外部環境による一種の刺激が大事ということです。
なので、留学に向けた勉強をするにしても、勉強をする環境を整えることが大事。
ということで、吉田さん夫妻は、それぞれが勉強机を持っているということです。
勉強机に座るからこそ、スイッチが入る。
私も時間効率を考えたら、移動時間も有効に使える「ずっと家で仕事する」が一番効率が良いはずなのですが、場所を変えるからこそモードが変わる、ということがやはり大きいんですよね。
だからこそ、さっさとグロビ3階に通う日々でございます 笑
以上、ざっと気になるポイントだけ書いてみましたが、これ以外にもいろんな要素が解像度高く書かれています。
特に同じワーキングマザーの方は共感する部分が多いのではないでしょうか?
※Amazonのレビューも高いです。
ということで、気になる方は手に取っていただければと!