(続)小休止のすすめ(ヒロミ・藤田晋)と「直感と論理をつなぐ思考法 VISION DRIVEN」むっちゃつながった話
前回は「小休止のすすめ」を「ザ・メンタルモデル」に照らし合わせていろいろ考えてみました。
今回はもっといろんなことを書こうと思ったのですが、また1つ気づいてしまいました。「直感と論理をつなぐ思考法 VISION DRIVEN」ともかなり通じる部分があることを。ということでこの本と通じる部分をいろいろ書いてみたいと思います。
ちなみに「直感と論理をつなぐ思考法」は、私のブログ記事で圧倒的なアクセス比率を誇る本なので(Google検索経由で来る)、かなり注目されている本なんだろうなと思います。
そしてこの本はどんな本かというと、「直感と論理をつなぐ」なので、感性とか直感とか、そんなアート的な要素をどう現実世界のロジックに繋いでいくかという、そんな興味を持って手に取った方も多いと思います(私もそうです)。
ですが、その「直感と論理をつなぐ思考」というのはあくまで手段の話で、対象を個人にフォーカスしますと、その目的というのは「どうやってこれからの100年人生を生きるか」という本なんですよね。なのでライフシフト系の本なんですよ。それを考えていくにあたって、「直感と論理をつないで考えていきましょう」という話です。
と、前置きはこれくらいにして、「小休止のすすめ」と重なる部分に移りますが、まずは添付の3枚目の絵を見ていただきたいんですね。これはこの本を象徴する有名な絵です。
※画像はDIAMOND online:【山口周×佐宗邦威】強い組織には「出世しないけれど面白い人」が必ずいる[VISION DRIVEN × NEW TYPE対談(1)]より拝借
詳細は省きますが、この絵は、手前が「カイゼンの農地」左奥が「戦略の荒野」右奥が「デザインの平原」そして真ん中の奥が「人生芸術の山脈」と呼ばれていて、私もそうでしたが多くの人が「カイゼンの農地」で一生懸命働いていて、外資系のアップorアウトの人は「戦略の荒野」で死屍累々の戦いをしていて、クリエイティブ系の人が「デザインの平原」で働いている、とまずは捉えます。
そして、どの「労働市場」で戦っている人も、いずれ行き詰まるときが来ます。そして本当は、楽しく活き活きと山登りしている人たちがいる「人生芸術の山脈」に行きたいんだけど、その境界には大きな谷が横たわっていて行けない 笑
そこでふと図の真ん中に目をやると、大きな穴が空いていて、その穴に飛び込むと地下エリアに降りていきます。そして、その地下エリアはいわば「内省の部屋」なんですね。
「自分は本当はどういうことをしたいんだろうか」
ということをじっくり考える部屋です。
そして内省を深めた結果、「これをやりたい」ということが見えてきたら、地下から「人生芸術の山脈」を登り始めることができるんですね。
このように「自分本来の人生を生きる」という「人生芸術の山脈」を登るには、「一旦穴に落ちる」という遠回りが必要ということなんです。
そして著者の佐宗さんは、この「穴に落ちる」ということを「余白を作る」という表現を用いています。
「デザインの平原」や「戦略の荒野」で頑張り続ける「他人モードの人生」ではなく、「自分モードの人生」で生きるためには
「落ち着いてじっくり内省するための、余白の確保」
が大事ということです。
と、「直感と論理・・・」の説明をしてきましたが、「小休止のすすめ」に話を戻しますと、この「穴に落ちて余白の時間を確保する」というのが、まさに「小休止」ということなんですね。ヒロミさんは、まさに自ら穴に飛び込みました。テレビ業界が地上の世界とすると、10年間地下に降りた感じです。その余白の時間で内省し、試行錯誤しながら人生芸術の山脈を登り始め、今再び地上に出てきた、そんなふうに捉えられるんじゃないかと思います。
ただ、それをサラリーマンに当てはめた場合、「そんな長期間地下に降りられんよ」という話になりますよね。
で私の考えは、週末など仕事以外の時間で、できるだけ「余白」を確保して穴に飛び込み、仕事の時間になったらまた地上に戻って仕事をするという形で、地上と地下の往復を繰り返し、時間をかけて内省を進めればいいんじゃないかと思っています。
そして、その地下に入ったときに、内省をより効果的に進められることを支援するのがまさに私がこれから本格的にスタートさせようとしているライフシフト講座だったりします(今ホームページ作りで絶賛悪戦苦闘中ですがw)。著者の佐宗さんとは具体的なアプローチが異なるだけで、目指す方向性は全く一緒なんですよね。
ほんとはもっと書きたいことがあるのですが、ここまででずいぶん長くなってしまいましたので、ちょっとこの辺で終えておきます。
前回の「ザ・メンタルモデル」といい、今回の「直感と論理をつなぐ思考法」といい、いろいろつながるなぁと感じるとともに、それだけつながるということは、それが本質ってことなんだろうなぁと改めて感じた話でございました。
おしまい。