気ままに誤読録

著者の意図とは違うかもしれないけど、自分なりの気づきを「誤読」として紹介していく、そんな読書ブログです。

FACTFULNESS(ハンス・ロスリング)を読んで、「10の思い込み」を義務教育に加えたいと思った話

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以前話題になった山口周さんの「世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?」を読まれた方も多いのではないかと思います。

 

あの本は超ざっくり言うと

 

「物事を判断するにあたってはロジカルだけでは限界があるので、「美意識(価値観)」を判断軸に加えよう」

 

という話でしたが、一方でロジカルをないがしろにして良いわけではなく、それをないがしろにして判断するのは「ただのバカ」とも書かれておりました。

 

で、この「美意識問題」はビジネスやキャリアという文脈では「ほんとそうですねー」と共感する部分が多いのですが、こと一般社会においては、「美意識以前にロジカルが欠けまくっている」という問題がすごく大きいと思っていまして。

 

最近では原発の処理水の話や、豊洲市場移転のゴタゴタとかですね。いわゆる「科学が風評に負けてしまう」事象です。それによって特段問題が起きなければ良いのですが、余計なコストがむちゃくちゃかかっているという問題があります。財政に余裕なんてないのに。

 

そしてそんな状況をみつつ、グロビでいう「クリティカルシンキング」と「(旧)定量分析」は義務教育に入れるべきだよなぁと思ったりしていたのですが、この本を読んでそれだけじゃダメだということを痛感しました。

 

膨大な時間はかかるかもしれないけど、そういう「ロジカル系な教育」さえ進めばこの問題は解消されるのかなと思ったのですが、それだけではダメで、「心理バイアスもどうにかしないといけない」という課題をこの本は教えてくれます。

 

それが「10の思い込み」と言われるものであり、我々にはもともと物事を歪めて捉えてしまう10の心理バイアスがビルトインされているんだと。

 

それを理解すると、なぜマスコミがあのような偏向報道をするのかも理解できます。

 

そして大事なのは、それは自分にもビルトインされているバイアスであると自覚すること。

 

自分に矢印を向け、「10の思い込み」にハマっていないか?と適宜問いかける謙虚な姿勢を持つ大事さですね。

 

そしてそして、さらに大事なのは著者のハンス・ロスリングが提唱する「FACTFULNESSに関するコミュニケーションの在り方」。

 

「そういう10の思い込み」によって誤った方向に進んでいる人をみたら、「間違ってるぞ!」と攻撃するのではなく、「それって10の思い込みにハマってなくない?」「いやー、俺もよくハマるからさ」と「相手を許すコミュニケーション」を取ること。これは「箱の外に出る」という話にも通じる感じがします。

 

人間は誰しもが「10の思い込み」にハマる可能性がある。だからそれにハマらないように、各々が「10の思い込みがあること」を自覚して、「思い込みに陥っていないか」をお互いに確認しあって、助け合って生きていこう、という感じでしょうか。確かにそんな社会になれば、自ずと「ロジカルが欠けまくっている問題」は解消されそうな気がします。 

 

ということで、これは本当に大事なことだなと思ったので、10の思い込みとはどんなものかを自分に刷り込ませるべく、ちょっとした勉強会など開催できたらいいなーと思っています。手が空いたらコンテンツも作ってみよう。

 

おしまい。