気ままに誤読録

著者の意図とは違うかもしれないけど、自分なりの気づきを「誤読」として紹介していく、そんな読書ブログです。

「承認欲求」の呪縛(太田肇)

はい、みんな大好き、承認欲求でございます。

 

1か月前くらいに読んだので、自分の頭の整理がてら、ちょっと思い出しながら書きたいと思います。

 

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なんとなく、近年は「承認欲求」というとネガティブなイメージで語られることが多いように感じています。なんといいますか、俺を、私を、認めてくれー的な。SNSが登場して以降はより度が増しているとか。

 

でもあからさまな承認欲求的な投稿はウザがられるので、

 

ここのランチおいしいという投稿をしつつも、若干遠めにもう1人分の皿を映すことで、さりげなく彼氏いますアピールをする

 

といった高度な技を駆使するものも現れ、さながら承認欲求祭りの時代とのことです。

 

でもですね、承認欲求という言葉、みなさんどこで初めて聞きました?

 

僕はですね、たぶん、マズローの5段階欲求だったような気がします。

 

あれによると(雑!)、承認欲求は自己実現欲求の1つ下なので、そこそこ高尚な欲求のはずなんですよね。なので、本来はそんなにネガティブにとらえられるものじゃないはずです。

 

ということで、この本でも最初の部分では、承認欲求は別に悪い欲求ではなくて、それがエネルギーになっていろんなことを達成したり、実現したりすることができるような、「元々は良い欲求ですよ」ということが書かれています。

 

でも、、ですね、、、

 

適度に承認欲求を求める場合は大丈夫なんですけど、その度が強すぎると、

 

承認されたくて頑張る→評価・承認される→さらに承認されたくてがんばる→評価・承認される→さらに承認されたくて・・・

 

と無限ループにはまってしまう。

 

そしてバーン・アウトしてしまったり、最悪の場合、自殺してしまったりする。

 

そういうケースを「承認欲求の呪縛」としてこの本では述べられているんですね。

 

そしてこの本を読み終えて私が感じたことは、承認欲求だけの話ではないのでは?と感じました。キーワードは承認欲求というよりも「呪縛」のほう。縛られた状態から逃げ出せず、倒れる、もしくは死んでしまうということですね。

 

たとえば、ブラック企業の事例も確か書かれてたのですが、ブラック企業で苦しんでいる人というのは、「今自分がやめたら一緒に働いている人や会社に迷惑がかかる。だからやめられない」というのが背景にあると。

 

で、それって誰かに認められたいという承認欲求なの?と問われたらちょっと違和感がありまして。

 

どちらかというと、責任感の呪縛といいますか。同僚に迷惑をかけられないという良心・責任感といった方が適切のような気がしていまして。

 

まあ、それも、「辞めたら同僚に迷惑をかける=そうすると同僚から非難される=それを避けたいのは同僚から承認されたいから」という論法に立てば承認欲求と言えるんでしょうけど。

 

と書いてみたものの、承認欲求の定義がどうこうというのはいいとして、「いかにしてこの呪縛から解き放たれるか」がポイントだと思います。

 

「別に役職さがってもいいや」

「別に給料下がってもいいや」

「別に陰口叩かれてもいいや」

 

などなど、いろんな呪縛をいかに「手放す」ことができるか。

 

そこで思い出したのが、以前紹介した心屋仁之助さんの「強がらない。」に書かれてあったこと。それは

 

「自由を得るために、嫌な思いをする覚悟を持つ」

 

ということ。

 

なんとなくですね、私が思うに、そういった呪縛に取られているのは、その覚悟が持てないから、要は「嫌な思いをしたくないから」呪縛に縛られ続けるのではないかと。

 

アドラー的な考え方で言い換えると、「嫌な思いをしたくない」という目的のために、「呪縛にはまる」という手段を選択しているということですね。

 

せっかくここまで昇進したのに、それを手放して周りからドロップアウトしたと思われるなんて嫌だし、本当は辛くて仕方がないのに無理ですと言えず、がんばってしまう

 

ここで辞めたら上司からむちゃくちゃ罵詈雑言を浴びせられる。そんな想いはしたくないから、本当は辞めたいけど体に鞭を打ちながら働き続ける

 

ほかにもいろいろパターンがあると思いますが、嫌な思いはするかもしれないけど、いかにそういった心のしがらみを手放すことができるか。いかに「嫌な思いをする覚悟」を持てるか。そこに向き合うしかないんでしょうね。難しいですけど。

 

これの対応策についてもこの本で確か書かれていたと思いますが、実はほとんど覚えていません。。。ということは自分としてはあまり効果なさそうだなと思ったんだと思います(^^;)

 

で、そういった呪縛にはまってしまった人が、どうすればその呪縛を手放すことができるか、改めて自分の頭で考えてみると、「その呪縛は手放した方が絶対に幸せだと思うよ」と冷静に行ってくれる仲間なり家族なりがそばにいるかどうか次第なのかなと。あまり現実的ではない解決策ではありますが。。。

 

なのでもし自分がそのような人をコーチングすることがあれば、なんとかその呪縛を手放す方向に向かえないか、サポートしていきたいなーなんてことを思いました。

 

と、覚えている範囲で思い出して書いてみましたところで、今日はこの辺で(^_^)/