気ままに誤読録

著者の意図とは違うかもしれないけど、自分なりの気づきを「誤読」として紹介していく、そんな読書ブログです。

(続)Think clearly(ロルフ・ドベリ)③ ~能力の輪~

引き続きこの本について、私が意識したいなと思ったことを紹介したいと思います。

 

今日は3つ目のトピック、「能力の輪」についてです。

 

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 1.自分の向き不向きの境目をはっきりさせよう(能力の輪をつくる)

 

◆ 能力 ≠ 得意なこと

 「能力の輪の中に留まろう」というのが著者のメッセージですが、そう聞くと、

 

得意なことに集中して、苦手なことはやめましょう

 

というよくあるメッセージのように聞こえますが、少し違います。

 

正確にいうと

 

自分に向いていることに集中して、向いていないことはやめましょう

 

ということです。

 

何が違うかというと、仮に「得意なこと」があったとしても、それは必ずしも「自分に向いていること」ではない場合もありますよね。

 

自分には向いていないけど、仕事上やらなければいけないから、責任感だけでマジメにやり続けていくうちに「スキル・能力」があがったこと。

 

そしてそれをやっているときは楽しいかというと全く楽しくなくて、やらなくていいのならやりたくないという、そんなこと。

 

たとえばこんなことありませんか?

 

たまたま最初に配属された担当で10年も継続していたら知識や能力が身について得意分野にはなるけど、やっていて楽しいかというと全然楽しくなくむしろ苦痛、といった状況。

 

それは「スキル・能力は高い」といえますが、ここでいう「能力の輪」には入りません。

 

ということで、この「能力の輪」で大切になってくる要素は「執着」です。

 

◆ 執着 = 一種の中毒がキモだ!

執着という表現は、ネガティブな要素として語られる場合もありますが、この文脈での執着は「極度の集中」というポジティブな意味ですね。

 

なぜ執着が大事かというと、その1つのことに何時間も費やせるから。

 

著者はそれをこんな事例とともに説明しています。

 

若い頃のビル・ゲイツは、プログラムを組むことに執着していた。スティーブ・ジョブズはカリグラフィーとデザインに。ウォーレン・バフェットは12歳のとき、初めてもらったお小遣いで株を買い、それ以降ずっと投資中毒になっている。

彼らは、それらに執着して、何千時間も費やしたからこそ、その分野のエキスパートになれたのだ

 

 

これは私が専門とする才能心理学と全く同じ考え方ですので、私としてもほんとその通りですよね、という感想です。

 

端的にいうと、執着は何かに取り組む強大なエネルギーになるということですね。

 

そんなエネルギーを伴って取り組むからこそ、何時間も取り組むことができ、それだけ長期間取り組めると、自ずと能力が磨かれ、才能となります。

 

ちなみに、ジョブズとバフェットの執着による才能開花については、こちらの本に詳しく書かれていますので、ご参考まで。

 

◆ 能力の輪を持つ意味

能力の輪を持つことのメリットとしては、まず1つは既に書いたように、能力の輪の中のことに集中することで、才能が磨かれていくということ。

 

そしてもうひとつのメリットは

 

仕事のオファーを受けたときに、それを承諾する・しないの判断軸として機能すること

 

です。

 

そしてそれが強力に発揮されるときというのは、

 

すごく魅力的な仕事のオファーが舞い込んだとき

 

と著者は述べています。

 

たとえば1億円の仕事のオファーがあったけど、それは能力の輪の外側の仕事で、自分のやりたくない仕事だった場合。

 

もしお金の魅力に負けて、その仕事を受けてしまったら、きっと無駄な労力を使うばかりで、大きな挫折感を味わいつつ、平凡なアウトプットしか出せないという、そんな状況に陥るだろう、とのことです。

 

◆ とはいうものの、極度に焦る必要はなく

ここから先はこの本で書かれていることではなく、私の持論ですが、

 

若いうちから「能力の輪」を意識して、それだけにフォーカスして、それ以外はやらない

 

というスタンスで生きていくのはなかなか難しいのではないかと思います。

 

というのは、世の偉人のように子供のころから「自分の執着できるものはこれだ!」と明確にわかる人ってそんなに多くないと思うからです。

 

ということで、私の考えとしてはもう少しゆったりと構えて、

 

20代までは、能力の輪を明確にしていために、いろんなことに取り組み、それに対する心の反応をチェックすることで、「執着できるもの」「執着できないもの」をふるい分けしていく

そして30代以降は、20代で明確にした「能力の輪」の中のことに集中して取り組んでいく

 

という感じで良いのではないかと思っています。

 

もちろん、私のように20代どころか40歳になるまで「能力の輪」を意識したことがなかった人などは、過去の自分を振り返って「能力の輪」を明確にし、今から能力の輪の中に集中すればいいと思っています。

 

◆ 「器用貧乏」も専門性

ここの話もこの本に書かれていたわけではなく、私の持論ですが、ここまでの「能力の輪」の話を読まれた方は、この「能力の輪」というものはすなわち「専門性である」と理解されたと思います。

 

それはそのとおりなのですが、そういうと結構こういう悩める人が現れます。

 

それは

 

頼まれたことはそつなくいろいろこなせるんだけど、コレといったわかりやすい専門性はないんだよなぁ

 

という器用貧乏な方です。

 

私も前職時代はまさに器用貧乏を王道で行く感じでしたので、その悩み、むっちゃよくわかります(笑)

 

ですが、最近ある本を読んで、器用貧乏も1つの専門性としてむっちゃ力を発揮できるということが分かりました。

 

その活かし方は何かというと、起業家の支援者です。

 

起業家というのは、ものすごいパッションがあって、一芸には秀でていますが、事務周りなどの対応については、見事なまでのポンコツぶりだったりします(笑)

 

そこを「なんでもそつなくこなせる器用貧乏力」で丸ごとサポートするわけですね。

 

それを続けていくと、サポーター、ディレクター、プロデューサーと発展する形でサポート能力が磨かれ、起業家の右腕的存在という専門性を持つにいたります。

 

以上の話はコチラの本に書かれていたことですが、私のような器用貧乏な方には非常に勇気がもらえる本ですので、器用貧乏仲間の方にはぜひ読んでいただきたい一冊です。

 

つまり、「なんでもそつなくこなせる器用貧乏」という「能力の輪」もある、ということです。

 

 

 

 

ということで、今日は印象に残ったことの3つ目、「能力の輪」についてご紹介しました。

 

ではまた!