【WE ARE LONELY, BUT NOT ALONE】(佐渡島 庸平)
この本もそうだけど、さとなおさんの「ファンベース」、前田さんの「人生の勝算」、西野さんの「革命のファンファーレ」に共通するのが人の繫がりを軸にしたビジネスの話。個人的にはこういう世界はけっこう好き。
会社勤めをしていたとき、定年まで働いて、その後、同僚たちとは滅多に会わない生活を送る人たちを見た。きっと多くのサラリーマンがそうだろう。40年近い時間をささげても、そのコミュニティの外に出てしまうと、絆が切れてしまう。80歳で死ぬときに、周りに何人がいるだろう?
僕はそんな生き方は寂しいと思った。
昔の村社会を想像すると、死ぬとき、周りに村人たちが集まって、送られて死ぬところを想像できる。
家族以外にそんな仲間がどれだけいるか、それが、人生の喜び、幸せを決めるのではないか。生きる意味とは、まさにそのような状態のことではないか。人は、人と人との間で、生きていくのだ。
僕が起業したのは、勝ちたいからではない。幸せになるためだ。自分の人生に意味を持たせたかったから。そのために必要なのは、インターネット時代に合わせて、コミュニティをアップデートしていくことだ。
時代の要請としてコミュニティが必要だということを小難しく書いたけれど、すごくわかりやすくいうと、僕自身が幸せになるために、安心と自由の両方が確保されたコミュニティが必要なのだ。
僕は本を編集するときに、自分がすごく読みたい本を作った。世間に合わせることはしなかった。きっと僕と同じような人間がいるはずで、自分がすごく感動してさえいれば、似たような人には刺さるだろうと考えていた。
今、僕は、コミュニティを必要としている。同じように感じている人が、きっとたくさんいるはずだ。