気ままに誤読録

著者の意図とは違うかもしれないけど、自分なりの気づきを「誤読」として紹介していく、そんな読書ブログです。

【2018】マイベスト本

退職した8月から今まで数えたら、再読本含めて70冊くらい読んでいたので、たぶん年間では100冊くらい読んだんじゃないかなと思いますが、よくよく振り返ってみると、本からの学びも人生の選択に大きく影響しているなぁということで、今年のマイベスト本を振り返ってみようと思います。
ちなみにここでいうベスト本というのは、「自分に大きく影響を与えた本」ということで、「万人のために役に立つ本」とかそういう意味じゃないです。極めて個人的な視点で、今年の私に強く影響を与えたMIB(Most Impressive Book)という意味で、ベスト5をあげてみようと思います。

 

【第5位】幸せのメカニズム 実践・幸福学入門(前野隆司)

幸福については昨年の後半くらいから学び初めていたのですが、今年ようやく前野さんのこの本を読み、「いろんな人の研究の結果、幸せってこういうことらしいんですよ」と説明できるようになったのも今年の成果の1つでした。

なぜ説明できるかというと、前野さんはキヤノンでロボット作ってたようなゴリゴリの工学者で、左脳人間で、論理を追及する人なので、そういう人が幸福について研究した結果を伝えている本ということで、同じ左脳人間の自分として論理的に理解できたということですね。それが本当に大きかったです。

もちろんこの本だけをインプットに語るわけではなく、この本以外にも前野さんの他の著書も読み、前野さんの講義動画も視聴し、セミナーでの話を聞き、他の幸福学研究の本や記事も読み、さらにアドラー心理学の考えや才能心理学で学んだことも加え、より深みをもって理解し、説明できるようになりました。

それをササッとレジュメにまとめてみたものを今回の振り返りコーチングで使ってみたのですが、たぶん来年もやると思いますので興味のある方はお声がけいただければと思います。

 

【第4位】リーダーシップの旅 見えないものを見る(野田智義、金井壽宏

確か数年前に読んだと思うのですが全く記憶に残っておらず再読(笑)。読むタイミングでこうも得る感覚が違うのか、と実感した1冊でございました。読んだきっかけはグロビ荒木先生のイラスト解説(出版前)を読んだことですね。これって、今の自分の取り組みにむっちゃ関係あるんじゃないの?と思って読んでみました。

読んだことのある方はご存知のとおり、Lead the Self → Lead the People → Lead the Society とリーダーシップが進化していく話ですが、まずはLead the Selfがなければ何も始まりません。そしてそのLead the Selfを始めるには、沼地の向こうに見える光、あの場所に行ってみたいという情熱を喚起する光を見つけないといけません。で、かつての自分がそうだったように、今多くの人たちはその光が見つけられずに困っていて、その光を一緒に見つけて、その光に向かって伴走していくことがまさにこれからの自分の仕事だと、改めて捉えなおすことができました。

それまでは自分の役割はあくまで「個人のライフシフトを支援」という枠組みでとらえていたけど、実はリーダーを作ることでもあるんだ、と気づけたこと。これが本当に大きかったですね。来年からは、Lead the Selfのお手伝い、ガンガンやっていきます。

 

【第3位】自分の小さな「箱」から脱出する方法(アービンジャー インスティチュート)

これも数年前に読んだけど記憶に残っておらず再読した1冊(笑)。たまたま同時期に才能心理学の北端師匠とグロビの荒木師匠からのアナウンスがあったので、これは読めって合図だなと思って読みましたが、いやー、ここ数年の心理学系の学びのおかげでグサグサ刺さり、20倍くらい深く理解できました(^^;

北端師匠曰く、人間関係のこじれはこの箱の話でいう「自己欺瞞からの自己正当化」によるものが9割とおっしゃるほど、本当にありふれた問題。自分を振り返ってもあるあるすぎて笑えない。

でもやっぱり知識ってのは大事で、この「箱」という概念を知っているだけで、そのあるあるな問題を少なくすることができます。自分が箱から出るにも、相手に箱から出てもらうにも、どちらの場合もやるべきことは1つ。自分が気づいて、自分が意識して、自分が箱の外に出るしかありません。難しいけど、トレーニングです。お稽古です。やるしかないですね。ときどき自分を振り返り、「あー俺今、箱ってんなー」と思ったら外に出ようと試みる。がんばろうと思います(^^;

 

【第2位】大富豪からの手紙(本田健

本田健さんが構想10年のこれまでの集大成という形で書かれた本。私がライフシフトを決断した1か月後に出版された本でしたが、私の決断を「これでよかったんだ」と後押ししてくれるありがたい本であり、振り返りのタイミングで定期的に読み返したい本でもあります。

人生の決断というのは、ある程度ロジックで考えるけど、自分の心に向き合い、最後の最後は自分の感性を信じてえいっと踏み出すしかありません。そういう非論理的な世界での思考や決断に対して、9つの手紙という形で参考となる指針を示してくれている、というのが自分の中でのこの本の位置づけです。

特に「偶然」と「直感」の扱い方。この本を読んでから、よりその2つに意識を向けて、行動の判断軸として取り入れるようになりました。
また、「決めたら全てが動き出す」。確かにいろいろ動き始めました。

そろそろまた読み返したいなーと思っています。

 

【第1位】すべては導かれている: 逆境を越え、人生を拓く 五つの覚悟(田坂広志)

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1位は満場一致でこれしかありません。今年はコレに尽きます。内容的には↑の本田健さんの本と被る部分もありますが、この本も私がライフシフトを決断したちょっと後に読み、これまた自分が決断したことに対して、ものすごく勇気を与えてくれた本でした。

導かれるとか引き寄せとかの話はそれ以前からいろいろ興味があって探求していて、科学や論理で説明できない部分、確かにあるよなーと思っていたのですが、この本が自分にとってうれしかったのは、自分以上にゴリゴリの左脳的唯物論者の田坂さんがこう断言してくださっているところ。「左脳人間として考え抜いた末に、こう考えざるを得ない」と言って下さっているところに、同じ左脳人間としてはものすごい納得感というか、安心感があります。
ちなみに、このテーマのあすか会議の講演も何度も何度もヘビロテで聞き、頭に刷り込みました。自分のこれまでの経験に照らし合わしてみてもとても納得のいくことだったので、この本の話は強く信じています。

そしてこの本に出会って一番ありがたかったのが、母の脳動脈瘤が発覚したとき、「大いなる何かに導かれている」という考え方と、「解釈力」という考え方によって極めて冷静に、穏やかな心で対応できたことです。この本を母にもプレゼントし、母も同じ考えを持ち、このロジックに沿ってコミュニケーションをとり、結果として、因果関係は証明できないけれども、手術も無事成功し、術後の状況も極めて良好な日々を過ごさせていただいています。

それ以外にも、この「導かれる」的エピソードはいろいろありましたが、長くなるので割愛します。とにかく、この本から受けた影響は、2位に20ゲーム差くらいつけて1位というくらい、今年の自分にとっては圧倒的なものでした。

 

という感じで5位から1位まで振り返りましたが、果たして来年はどんな本との出会いがあるのか。それこそ、どんな本との出会いに導かれるのか。来年も楽しみですね。

と、えらく長くなってしまいましたが、みなさんにとっての今年のMIBは何でしたか?