【部下を元気にする、上司の話し方】(桑野麻衣)
才能心理学の北端師匠のポッドキャスト番組でインタビュアーをされていた、コミュニケーションの専門家、桑野麻衣さんの著書でございます。
全編通していろいろと参考になることが書かれていますが、この本の根底を貫いている軸は、
「部下に心から関心を持つ姿勢」
「部下の成長を心から願う姿勢」
という上司として部下に向き合う「Being」の部分だと思いました。
私自身もアドラー心理学に基づくコミュニケーションを学び、セミナーなどでお伝えしていますが、やはりお伝えしたいポイントは共通しているなぁと感じます。
以前、荒木マスターのVoicyにて交渉プロフェッショナルの島田久仁彦さんの言葉で印象に残っているのが、「相手から関心を持たれている状態、というのは麻薬以上に依存度が高い」ということ。
この言葉からも、部下に「上司から関心を持ってもらえている」と感じてもらえているかどうか、ここが全てのような気がします。
また、その点の重要性を改めて認識しつつ、新たに気づいた部分もありました。
たとえば、アドラーでいう原因論的コミュニケーションと目的論コミュニケーションの部分。平たく言えば、「なんでこんなことした?」ではなく、「これがどうなったらいい?」のコミュニケーションですね。
この「手段」をとることで、部下と前向きなコミュニケーションを取れるようになることも多いですが、その隠れた前提で、それを「どういうBeing」で話しているかということが大事だと書かれています。
確かに「どうなったらいい?」を「責めてる感満載」で言われたら部下も委縮してしまいますし、「なんでこんなことした?」を「寄り添った感じ」で言われたら部下も安心感を得て素直なコミュニケーションがとれるので、「手段」も当然大事ではありますが、やはり一番大事なのは「Being」だということを再認識しました。
また、部下との信頼関係の構築方法としても、女性脳と男性脳における効果的なアプローチの違いについても改めて認識しました。
たとえば信頼関係の構築というと、真っ先に「寄り添い」や「親近感」というキーワードが思い浮かびますが、男性脳が強い人に対してはそれよりもロジックを意識したコミュニケーションをとるほうが信頼関係の構築につながるなど。
言われてみると当たり前の話ですが、意識していなければその辺の臨機応変の切り替えは難しいですよね。
これもつまるところ「部下に心から関心を持つ」を日々意識していれば、その部下がどういうタイプなのかを意識するので、自ずと気づけるようになるのかもしれません。
と、これまでいくつか部下とのコミュニケーションに関する本を読んできましたが、やはり「キモとなる部分」は結構共通しているなと感じます。
そういう意味で、ここで一旦整理してみますと、私が今まで読んだ本の中で、これはいいなーと思ったのは、現時点では以下の4冊でございます。
当然他にも良書はいくつもあると思いますので、オススメ本があればご紹介いただけると嬉しいです(・∀・)ノ
<部下を元気にする、上司の話し方>
https://www.amazon.co.jp/dp/B07HWN7VTD
<職場を幸せにするメガネ 〜アドラーに学ぶ勇気づけのマネジメント>
https://www.amazon.co.jp/dp/4861131863
<日本一社員が辞めない会社>
https://www.amazon.co.jp/dp/B07GDL6K2V
<シリコンバレー式 最強の育て方 ―人材マネジメントの新しい常識 1on1ミーティング>
https://www.amazon.co.jp/dp/B075FQYKK9