気ままに誤読録

著者の意図とは違うかもしれないけど、自分なりの気づきを「誤読」として紹介していく、そんな読書ブログです。

Think clearly(ロルフ・ドベリ)① ~考えるより、行動しよう~

これは以前、荒木マスターのブックカフェでフライヤーの井手隊長が絶賛されていたので読んでみました。

 

この本の著者はスイス生まれのロルフ・ドベリさん。30代前半でスイス航空の子会社数社でCEOを務め、その後はベンチャーも立ち上げて従業員100人以上の規模まで育て上げたという、元々はやり手のビジネスパーソンですね。

 

その後、35歳で初めての著作を執筆したあとは、作家として本を書くだけでなくさまざまな媒体に寄稿するなど、執筆活動に専念しているという、そんな方です。

 

この本はそんなすごい人が書いた

 

良い人生を送るために必要な「思考の道具箱」 

 

である

 

人生をより良く生きていくための52の思考法

 

が紹介されているものです。

 

ということで、52個すべては紹介しませんが、私が意識したいなと思ったことを何回かに分けて紹介していきたいと思います。

 

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 1.考えるより、行動しよう -「思考の飽和点」に達する前に始める

 

まず冒頭から、「文章を書くための最大の秘訣」が述べられています。

 

それは

 

何を書くかというアイデアは、「書いているとき」にではなく、「書いている最中」に浮かぶ

 

ということ。

 

これは私自身、こういうブログを書いていても感じることですね。

 

で、これは何も文章を書くことに限らず、

 

人間が行う、ありとあらゆる領域の活動に当てはまる。

 

ということです。

 

 そしてそれは逆の言い方をいうと、

 

それ以上長く思い悩んでも1ミリも先に進まない

 

ということです。

 

その事例として、10年以上起業しようと試行錯誤を重ねているけど、検討だけを続けていて、行動には移せずにいる著者の友人の話が紹介されています。

 

◆ 思考の飽和点という考え方

 

当然、何も考えずにとにかく行動しろというわけではなく、

 

ある程度考えて、もうこれ以上は悩んでいてもしょうがないな、という状態になったら行動しましょう

 

という話なのですが、その「これ以上悩んでもしょうがない」という感覚に達した状態を

 

思考の飽和点という考え方

 

と読んでいます。

 

ではなぜ思考の飽和点に達したら行動に移したほうがいいのか。

 

ドベリさんはこう言われています。

 

思考の飽和点に達した状態で頭の中で熟考しても、懐中電灯で照らす程度の範囲にしか考えは及ばないけど、行動を起こせばサーチライトであたりを照らし出したかのように、一気にいろいろなものが見えてくる。

その強い光は、考えただけでは見通せない世界の奥まで行き届く

 

これは私も全く同感でして、私も対人支援の場で、

 

霧がかった先に足を進めていくと、霧が晴れて今まで見えていなかった景色が目の前に広がる

 

といった表現を使っていますが、意図することは全く同じですね。

 

 

◆ 行動しないのは、考えてるだけのほうがラクだから

 

とはいうものの、言うは易し。

 

考えるだけで先に進めないことはドベリさんもよくあるとのこと。思考の飽和点をとっくに過ぎても、つい考えすぎてしまうということですね。

 

それだけ「考えすぎる」ことの引力は強いということです。

 

では、なぜつい考えすぎてしまうのか。

 

それは、考えるだけの方がカンタンで楽だから、なんですよね。

 

率先して行動を起こすより、考えているだけのほうが気楽で、実行に移すよりぼんやりと思いを巡らせているほうが心地いいんですよね。

 

そしてなぜ考えるだけが心地よいのかというと、考えているだけなら失敗するリスクはゼロだけど、行動すれば失敗する可能性が出てくるからなんですよね。

 

ここで1つ思い出すのがアドラーの目的論。行動しないという現実の裏には、行動したくないという目的がある。それは行動しないことで、楽で心地よい状態を維持したいからだ、という捉え方ですね。

 

だけど、、、当たり前ですが、行動しない人は挫折する心配は一切ないかわりに、現実は何も変わりません。

 

一方、行動する人は挫折とは無縁ではないけど、その代わりに経験は確実に積むことができます。

 

田坂広志さんの言葉を借りると、

 

成功するかどうかはわからないけど、成長は確実にする

 

ということですね。

 

ということで、ついつい考えすぎて行動を起こせない、という強い引力に引っ張られる毎日ではありますが、

 

「目の前の視界が開ける」「確実に成長はする」

 

という意識をもって、行動に踏み出すことの怖さを乗り越えていきたいですね。

 

 

◆ 何を描きたいかは、描き始めないとわからない

この章のまとめの部分で、以下のピカソの言葉を引用して、新しいことに挑戦する勇気がいかに大切かと説明しています。

 

何を描きたいかは、描き始めて見なければわからない

 

これは抽象化すると、このパートのテーマである「考えるより、行動しよう」ということであり、それがなぜ大事なのかというと、「目の前の視界が開けるから」「成功するかはわからないけど成長はするから」ということはすでにお話してきました。

 

そして最後にこの本には書かれていなかったことですが、私として追記したいことが1つ。

 

それは以前紹介したこの本にも書かれていたことですが、

 

一旦行動し始めると、脳の側坐核という部分が刺激されて、行動が加速していく

 

という脳の機能です。

 

そして行動が加速していくうちに、

 

脳が刺激されてきてアイデアも生まれてくる

 

という、そんな好循環が生まれます。

 

ピカソの絵の話とか、冒頭の文章を書く話とかは、結構この脳の機能と、脳の活性という影響も大きいのではないかと思っています。

 

そういう意味でも、

 

少し煮詰まったら(思考の飽和点に達したと思ったら)とりあえず手や体を動かしてみる

 

というのが有効ではないかと思い、このブログも文章の構成を考える前に、こんなこと書きたいなーとぼんやり頭に浮かんでいる状態で、とりあえず手を動かしてみました(笑)

 

ということで、今日は印象に残ったことの1つ目、「考えるより、行動しよう」についてご紹介しました。

 

ではまた!