気ままに誤読録

著者の意図とは違うかもしれないけど、自分なりの気づきを「誤読」として紹介していく、そんな読書ブログです。

【働き方1.9(ヒロシ)④】ヒロシさんによる「4分の1歩」のススメ

ヒロシさんの「働き方1.9」シリーズ、4回目の今回でラストです。

前回は、「好きなことって、そもそもどういうものよ?」という点について、この本に書かれていることをもとにいろいろ書いてみました。

 

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今日はいわゆる行動に向けた「一歩の踏み出し方」「行動の起こし方」について書いてみたいと思います。

 

前回からの流れでいうと、仮に「CAN軸」から「WANT軸」へと頭の切り替えができて、「自分の好きなこと」「自分がやりたいこと」がなんとなく見えてきて、じゃあ行動に移してみようというとき、頭に余計な感情が出てきたりして躊躇してしまうことがよくあります。

 

これはご存知の方も多いかと思いますが、人間には心理的恒常性という「変化を起こそうとしたら元の状態に戻ろうとする」機能が備わっていることや、行動に変化を起こすと周りが止めようとあーだこーだ言ってきたりします。いわゆるドリームキラーと呼ばれる人たちですね。そんなこんなで、なかなか一歩を踏み出すことが難しいというのが実情です。

 

そのように、自分の内からも外からもいろんな邪魔が入るなかで、行動を起こしていくためのヒントとして、ヒロシさんは主に2つのことを言っています。

 

1.退路は残しておけ

この本には、こんな一節があります。

 

世の中には自分をとことん追い詰めて事を成し遂げる人がいる。しかし、多くの人はそこまで精神的に強くはない。芸人の世界で盛んに耳にした「芸人は売れたいなら借金くらいしろ」という格言も、経済的に退路を断つことで自分を追い込むやり方だ。その言葉を信じて借金した芸人が僕の周りにいっぱいいたが、売れたという話はついぞ聞かなかった。

 

 何かことを始めるために思い切って会社を辞めようとする人がいる。その不退転の決意はすごいし、その新しいことが成功するかもしれないが、成功しない可能性もある。成功するかしないかが、その決意にかかっているわけではない。

 

退路を残しておくのは、潔くなくてカッコ悪いことかもしれないが、だからこそ実行できるのであれば、そうするほうがいい。

 

これも本当にそう思いますね。

 

我々ビジネスパーソンでいうならば、この考え方を支えるのは「副業」ですね。昨今は政府の掛け声で厚労省のモデル就業規則が変わって、副業解禁になる企業も増えつつあると思いますが、これはどんどん活かしたいですね。もしまだ副業禁止だったとしても、報酬さえ得なければOKなわけなので、報酬なしでどんどん気軽に行動しちゃえばいいと思っています。

 

ヒロシさんのいうように、やはり「退路があるからこそ安心して行動できる」という人が多いというか、ほとんどではないかと思いますので、私も基本的にコーチングなどで相談を受ける際はこのやり方を推奨しています。

 

となったとき、「じゃあなんでお前は会社辞めたんや?」という人もいるかもしれませんが(笑)、これはこれで自分なりの退路を、別の形で残しているつもりなんですね。具体的に用意しているというよりは、「捉え方を変える」という感じですが。その辺の話をするとちょっと話が発散してしまうので今日は詳しく触れることはしませんが、また話す機会があればお話しようと思います。

 

というわけで、退路は残しておいて全然いいし、不退転の決意で臨む必要もないし、という考え方であれば、行動に移すことのハードルもかなり低くなるのではないかと思っています。

  

2.1歩でなくていいから、「4分の1歩」を踏み出そう

これはこの本に書かれていたわけではないですが、この本に関する記事で、ヒロシさんはこのようなことを言われています。

 

リスクをとって勝負することがなかなかできないんですよ。石橋を叩いて割れないか、さらに流されないかまで確認して渡るタイプなので。僕は自己啓発本や成功者のビジネス書が好きで、今までたくさん読んできたんです。でも、読んだそのときは熱くなっても、結局行動に移せませんでした。

 

起業家の堀江(貴文)さんがいうように『イヤな会社なんて辞めちゃえ』という考えには共感するんですけど、『いきなり辞められないよ』とも思う。そういう意気地のない人は多いと思うんです。当面の生活資金も要るし、もし子どもがいたら養わないといけないし。ラーメンが好きなサラリーマンが、いきなり退職して『ラーメン屋やるぞ!』と設備投資するのは、かなり勇気がいる

 

でも現状に不満があって自分の好きなことをやりたい人は、ちょっとでも行動しないかぎり何も変わらないのも確かです。だからラーメンが好きなら、本格的なものを作って友達や行きつけの飲み屋のマスターとかに食べてもらって、意見や感想を聞くところから始めればいい。一歩じゃなくていいから、4分の1歩を踏み出す。びびりながらもちょこちょこ挑戦して、できるだけダメージを負わない方法を選べばいいんです。

 

先ほどの退路の話とつながっていますが、そこからの1歩の踏み出し方ですね。これは人によって向き不向きがあると思っています。

 

たとえば、先日荒木さんのVoicyで、「いまこそ知りたいAIビジネス」の著者:石角 友愛さんがおっしゃっていた言葉で「Fake it,'till you make it !」という言葉がありましたが、これは先に自分を追い込んでしまうやり方なので、かなり精神マッチョ系の人にピッタリな行動様式ですね(笑)

 

だけどですね、ビジネスパーソン、特に転職を一度もしたことがない去年までの私のサラリーマンの方は、実際のところ「それはちょっとね・・・」という感じじゃないでしょうか。

 

よくないパターンは、自分はそういうやり方が合う人でもないのに「やはりそれくらい追い込まないとダメなんだな」と思い込み、実際にやってみたけど苦しくなって止めてしまう、もしくは1歩の壁の大きさに躊躇し、結果として全く踏み出せないで終わる、ということではないかと思います。

 

それであれば、1歩というよりも、むしろ「4分の1歩」、それくらいの身軽さで少しでもいいから前に進んでみる。1歩の大きさに怯んで0歩よりも、小さな「4分の1歩」を積み重ねてみる。そういう姿勢で臨んでいくことがキモなんじゃないかな、と思うわけであります。

 

この「4分の1歩」というメタファー、すごくいいなと思いました。これからたぶん多用すると思います(笑)

 

ということで、計4回にわたって書いてきました「働き方1.9」、これで終了です。またこういう、いろいろ紹介したくなる本に出合いたいですね。

 

それでは今日はこのへんで。