Being Management 「リーダー」をやめると、うまくいく。(渡辺雅司)
カンブリア宮殿出演でも話題になった、亀戸にあるくず餠の名店・船橋屋の八代目当主、渡辺さんの著書です。
端的にいうと、いわゆる「幸福経営」の実践例の本です。
数字を先に追うのではなく、従業員を筆頭に関わる人皆を幸せにするのが先で、その結果として数字もついてくるという経営。
幸福学の前野教授は「幸福経営をすると生産性は1.3倍、創造性は3倍」と常々仰っていますが、読んだ感想としてそのパフォーマンスは優に超えてそうです。そして、結果として利益は6倍になったと!
そんな幸福経営の実践例ではあるのですが、そのベースとなる思想は幸福学でも、ポジティブ心理学でもなく、アドラー心理学です。本には書かれてませんが、これは平本師匠が渡辺さんのコーチングをずっとされているからだと思います。
なので、アドラー心理学の幸福の定義である「共同体感覚」。
その条件である「自己受容」「他者信頼」「他者貢献」が船橋屋の幸福経営である「Being Management」の土台になっています。
そしてこれら要素を満たしていくために全ての制度が設計され、統合されています。
で、この本を読んで一番印象に残ったのが、その制度設計の緻密さです。特にHRの設計ですね。ものすごく丁寧に作りこまれています。
この船橋屋の物語は、組織の大変革物語なんですけど、
経営者の意識改革
↓
組織風土改革
↓
HR改革
↓
オペレーション改革
↓
というてんこ盛りの内容になってますので、これはぜひ、グロービスのケースに採用してほしいと思いました(笑)
だけど、てんこ盛りだけに、どの科目で採用したらよさそうか、悩みますね。
リーダーシップや組織風土改革の面でいうとOBH
それを制度として緻密に実装するという点ではHRM
幸福経営という視点に立つと伊那食品にも似てるから新日本的経営
そんな感じで、いろんな視点で学べるケースになりそうな予感です。
まるで全ての要素が高度に連動することで圧倒的なパフォーマンスを誇る、先日フロンターレを圧倒した今年の横浜Fマリノスを彷彿とさせる企業。
ってこのメタファー、通じる人いねぇか(笑)
とりあえず食わないことには始まらない。
Google先生で調べると、自宅から船橋屋本店までは徒歩32分。近日中に足を運びたいと思います。
ということで、今日はこのへんで(^^)/