気ままに誤読録

著者の意図とは違うかもしれないけど、自分なりの気づきを「誤読」として紹介していく、そんな読書ブログです。

Voicy「はせべあいのユア・ストーリー」から耳が離せないと思った話

私がやりたいと思っていながらまだやれていないことで、「ちょっと変わったキャリアの方へのインタビュー」をコミュニティでやってみる、というのがあるんですね。
昨年末にお1人目の候補の事前インタビューだけやって、その先は時間がなくてまだ進められていないのですが、そのうちやれればいいなぁと。


 
なぜそれをやってみたいかというと、私のメインの活動は40代サラリーマンの皆さんのライフシフトを支援することなんですけど(HPももうすぐ完成・・・させたいw)、これからの人生100年時代、80歳くらいまで働く時代に向けて、「いろんな生き方の可能性」の共有もあわせてできたらいいなぁと思ってまして。


 
そう思ってるところに、Voicy番組「かじさんの『知産知消』ラジオ」の番外編?として始まった長谷部 愛 (Ai Hasebe)さんによる「はせべあいのユア・ストーリー」【第1回】を聴きまして、
 


「まさにこーゆー話を聞きたかった!」


 
と思いまして。
 

voicy.jp


  
こういう話を誰とシェアしたいかというと、やはりグロービスの仲間でして。


 
なんとなく、「グロービス的起業観」ってあるじゃないですか。事業アイデアを考えに考えて、事業計画を練りに練って、そしてスタートしてからもむっちゃ頑張るという。


 
それも1つのやり方なんですけど、世の中を広く眺めてみるとですね、もっと気軽に、軽やかに起業されて、結果として「なんとかなってる」方もそれなりにいらっしゃったりするんですね。まあスタートしてからむっちゃ頑張るのは同じだと思いますけど。


 
今回のストーリーもですね、たまたまガイアの夜明けをみて、「この人と働きたい!」と心がざわついて、その会社のHPを覗いたら「起業家募集」というのがあるのをみて、特に起業したかったとかアイデアがあったわけじゃないけど勢いでそれに申し込んだのがスタート、なんていうエピソードとか最高ですね(笑)。こういう話、大好きです。


 
で、そのあとの話はリンク先のVoicyで聞いていただければと思いますが、「資金繰りというものを考える必要性さえ知らなかった」という状態から事業を軌道に乗せるべく奮闘されていくわけですね。で、いろんな紆余曲折があって、起業当初はなかったと仰るビジョンも今はしっかり掲げながら事業を展開されていると。


 
こういう話をお聞きするとですね、


 
「だったら俺にも、私にも、何かできるんじゃないか?」


 
という勇気が湧いてきませんかね?


 
特にグロービスの皆さんであれば、「資金繰りを考える」あたりとか、準備は完璧じゃないですか😎


 
そして誤解を恐れずに申し上げるならば、G型とL型の視点でみたとき、私含め、グロビ仲間はL型の方がすごく多いと思っています。そんなL型の我々には、今回のような「等身大の起業ストーリー」は、これからの生き方の可能性としてすごく参考になると思うんですよね。


 
ということで、「はせべあいのユア・ストーリー」は隔週放送ということですが、個人的には目が、もとい、耳が離せません。


 
以上、グロビ仲間でありながらお会いしたこともないけど、いずれお会いする機会がありそうな気がする、そんな長谷部愛さんの番組に関する感想でございました。


 
おしまい。
 

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そして親番組(?)の「ふくおか食べる通信 編集長」かじさんによる「かじさんの「知産知消」ラジオ」はコチラ!

voicy.jp

FACTFULNESS(ハンス・ロスリング)を読んで、「10の思い込み」を義務教育に加えたいと思った話

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以前話題になった山口周さんの「世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?」を読まれた方も多いのではないかと思います。

 

あの本は超ざっくり言うと

 

「物事を判断するにあたってはロジカルだけでは限界があるので、「美意識(価値観)」を判断軸に加えよう」

 

という話でしたが、一方でロジカルをないがしろにして良いわけではなく、それをないがしろにして判断するのは「ただのバカ」とも書かれておりました。

 

で、この「美意識問題」はビジネスやキャリアという文脈では「ほんとそうですねー」と共感する部分が多いのですが、こと一般社会においては、「美意識以前にロジカルが欠けまくっている」という問題がすごく大きいと思っていまして。

 

最近では原発の処理水の話や、豊洲市場移転のゴタゴタとかですね。いわゆる「科学が風評に負けてしまう」事象です。それによって特段問題が起きなければ良いのですが、余計なコストがむちゃくちゃかかっているという問題があります。財政に余裕なんてないのに。

 

そしてそんな状況をみつつ、グロビでいう「クリティカルシンキング」と「(旧)定量分析」は義務教育に入れるべきだよなぁと思ったりしていたのですが、この本を読んでそれだけじゃダメだということを痛感しました。

 

膨大な時間はかかるかもしれないけど、そういう「ロジカル系な教育」さえ進めばこの問題は解消されるのかなと思ったのですが、それだけではダメで、「心理バイアスもどうにかしないといけない」という課題をこの本は教えてくれます。

 

それが「10の思い込み」と言われるものであり、我々にはもともと物事を歪めて捉えてしまう10の心理バイアスがビルトインされているんだと。

 

それを理解すると、なぜマスコミがあのような偏向報道をするのかも理解できます。

 

そして大事なのは、それは自分にもビルトインされているバイアスであると自覚すること。

 

自分に矢印を向け、「10の思い込み」にハマっていないか?と適宜問いかける謙虚な姿勢を持つ大事さですね。

 

そしてそして、さらに大事なのは著者のハンス・ロスリングが提唱する「FACTFULNESSに関するコミュニケーションの在り方」。

 

「そういう10の思い込み」によって誤った方向に進んでいる人をみたら、「間違ってるぞ!」と攻撃するのではなく、「それって10の思い込みにハマってなくない?」「いやー、俺もよくハマるからさ」と「相手を許すコミュニケーション」を取ること。これは「箱の外に出る」という話にも通じる感じがします。

 

人間は誰しもが「10の思い込み」にハマる可能性がある。だからそれにハマらないように、各々が「10の思い込みがあること」を自覚して、「思い込みに陥っていないか」をお互いに確認しあって、助け合って生きていこう、という感じでしょうか。確かにそんな社会になれば、自ずと「ロジカルが欠けまくっている問題」は解消されそうな気がします。 

 

ということで、これは本当に大事なことだなと思ったので、10の思い込みとはどんなものかを自分に刷り込ませるべく、ちょっとした勉強会など開催できたらいいなーと思っています。手が空いたらコンテンツも作ってみよう。

 

おしまい。

今年の音声メディアベスト3

去年と今年の大きな違いとしては、音声メディアからのインプットが各段に増えたことでした。ということで、今年自分にとって特に学びの大きかった番組ベスト3の紹介です。
 
【1位】荒木博之のBookCafe
https://voicy.jp/channel/794

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これはもう説明不要ですね(笑)。大学院時代、学びの質を劇的に上げていただいた恩師である荒木さん(マスター)の番組です。
 
個人的には荒木さんのクラスを受けたのが2014年で、5年ぶりくらいにクラスを受けているような感じで毎日楽しく聞いています。当然ながら対談や解説自体も学びになりますし、気になった本は実際に読んでみてブログに書いてみたりとか、本当に知の刺激を毎日貰い続けているといいますか、そんな番組です。
 
そして毎日欠かさず配信するという、フロムの「与えることが最上の喜び」を地で行く方なので、こちらも毎日聞かざるを得なくて(私が勝手にそうしているだけですがw)、他の番組を聞く時間が減ってしまうというのが嬉しい悲鳴でございますが、これからも楽しみに聞き続けていきたいと思います。
 
 
【2位】心屋仁之助の「ホントの自分を見つけるラジオ」
http://podcast6.kiqtas.jp/kokoroya/
 

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この番組は自分の在り方(Being)にすごく影響を与えてくれました。別にいいじゃないかぁ、と肩の力を抜くような。そのほうが生きるのが楽になって、人生も良い循環が周るといいますか。
 
そしてなんといっても前者後者論ですね😎
 
今年何度かシェアしていますが、気になる方は改めてこちらを。
http://podcast6.kiqtas.jp/kokoroya/archives/2016/05/3.html
 
この考え方を知ることで救われた人、自分の周りにそこそこいます。クライアントさんの1人はそれで楽に生きられるようになってさらに結果もついてくる出来事が起きたり。
 
ちなみに私は前者なのですが、前者後者の違いに気づくことでいちいち後者の行動に腹を立てなくなりました 笑
一方で、これまでの世界にないイノベーション的な発想は後者の役割であって、我々のような「既存の枠組みでいかに上手くやるか考える」前者にはできないことなので、そこを手放すことができたのも楽になれた要素でした。
 
この前者後者論を知って一番人生が変わるタイプの人は、「後者なのに前者にならねば」と思って苦手なことをずっと頑張ってきた人。世の中は基本、前者を求めますからね。学校教育、企業教育も全て「前者になれ教育」。MBAなんて前者教育の極みみたいなもんです 笑
 
そこで、「あ、自分は後者だった」と気づくことで見える景色ががらっと変わったりします。ということで、↑のリンクは一度は試しに聞いてみてほしい放送回です。でもって、できればそのあと20回分くらい聞けば、より一層前者後者の解像度が上がっていくのでオススメです。
 
 
【3位】歴史を面白く学ぶコテンラジオ_COTEN RADIO
https://www.youtube.com/channel/UCr5zQB5J5DJqZfar_WyWFAw
 

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この番組は先日 久末 学 (Manabu Hisasue) さんも紹介されていましたが、歴史を学びたいなーとなんとなく思っていた時に面白そうだから聞き始めたのですが、かなり勉強になってます。最近はちょっとさぼっていますが、現在第46回くらいまで聞いています。
 
この番組に惹かれるところは、歴史上の人物の背景を超絶詳しく教えてくれるところですね。この人は実はこうだったとか、実はこうだったけど、こういう流れで別に大した能力もないのに権力を持つに至ったとか、そういったところ。
 
というのはですね、いつかの回でパーソナリティの深井さんが話されていたんですけど、彼は歴史が好きというよりは、「人間そのもの」に興味があって探求されているんですね。人はこういうときどういう行動を取るのか、ということを歴史上の人物を通して学んでいく。そういうパッションで歴史の探求をされているそうです。
 
で、そこになぜ私が響くのかというと、才能心理学の観点で「この人はなぜここまで歴史が好きなんだろうか?」「その感情の源泉はどこにあるんだろうか?」という興味がわくからなんですね。
 
そんな感じで、歴史も学びつつ、「人間とは」というものも学べる、そんなありがたい番組です。積読ならぬ、積聴が溜まっているのでまた再開しないと(^^;
 
 
ということで以上が今年の音声メディアベスト3でした。
他にもいくつか聞いているんですが、書き出すと終わらないのでここでやめておきます。
 
おしまい。

【2019】マイベスト本

今年読んだ本のなかで個人的に印象に残ったものについて、昨日は歴史編の振り返りでしたけど、今日はジャンル問わずの総合的な振り返りです。
 
つらつらと思いついた順に上げていきたいと思います。
 

 

ビジネスパーソンが介護離職をしてはいけないこれだけの理由】

自分も近い将来自分事になるであろう介護について学びたくて読んだ本です。
 
一番印象的だったのは「自立支援」の「自立」の定義ですね。介護における自立とは、「依存先を増やすこと」。自分だけでなんとかできるようにする、という自立ではないんですね。
 
これは介護だけじゃなく、キャリアも人生もそうだなぁ、と気づかされた1冊でございました。
 
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【”すべては導かれている”につながりのある3冊】

去年のベスト本というか、私の座右の銘ならぬ、座右の1冊は田坂師匠の「すべては導かれている」なわけですが、その考え方を補強してくれた本として次の3冊は印象に残っています。
 
「運気を磨く」
「ザ・メンタルモデル」
「小休止」
 
「運気を磨く」は、田坂師匠による補講のような本なので、これを読むことで「すべては導かれている」の解像度がさらに上がった感じがしています。
 
「ザ・メンタルモデル」と「小休止」は、別の角度から同じことを言ってるなぁと感じた本でした。
 
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【僕たちは、地味な起業で食っていく。】

私はいわゆる派手なキャリアにはあまり興味がなく、ライフシフトした人についても「地に足の着いた系」のライフシフトにすごく興味があるのですが、その中でもこの本はすごくインパクトがありました。
 
えらいてんちょうの「しょぼい起業」も読みましたが、こちらの方が私のような「器用貧乏系サラリーマン」に希望を与えてくれる本ということで、とても印象的でした。

 


【夢を見続けておわる人、妥協を余儀なくされる人、「最高の相手」を手に入れる人。 “私"がプロポーズされない5つの理由】

これは今年一番楽しめた本です。結婚相談所勤務、仲人Tさんのブログを元にした本。ブログのほうがさらにパンチが効いててオモシロイんですけど。Tさんの文才は嫉妬レベルです。
 
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【「夫婦神話」を捨てたら幸せになっちゃいました】

心屋仁之助さんの「パートナーシップ」に特化した本ですね。「飛ぶ族と飛ばね族」「ふーん族とめっちゃ族」、これを知ってるかどうかで劇的に変わる人間関係。
 
全パートナーにプレゼントしたくなる本であり、できれば結婚してたときに読みたかった本でございます 汗
 
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【天才を殺す凡人】

この本は読まれた方も多いのではないかと思います。
人々のタイプを「天才」「秀才」「凡人」の3つの切り口で分類したうえで、それぞれの「活躍の仕方」「才能の発揮の仕方」が書かれていた本ですね(と記憶しています)。
 
心屋仁之助さんの「前者後者論」にも重なる部分があって、強く印象に残っています。
 
私もこれからライフシフトの支援をするにあたって、「この人はどういう路線でいけばより才能が開花しそうか」ということを考えていくわけですが、ちょっとこの切り口を自分なりに解釈して、自分のモノにして活用していきたいなと思いつつ、棚上げ中です 汗
 
来年中にはなんとか!
 

 


【俺か、俺以外か。 ローランドという生き方】

ローランド氏のWEB記事を見て、才能心理学的に分析してみたい欲求にかられ、読んでみたところ「まさに!!!」と思った、そんな強烈な印象が残っている本です。
 
この本は才能心理学視点で解説してみようと思いつつ、ブログにも下書き用の箱だけは作っていたんですけど、他のこと優先でやらずじまい 笑
 
いずれどこかで、才能開花の事例として整理してみたいと思います。
 


【その他、積読中の気になる本】

図書館で借りたものを優先して読んだりしているので、積読は山のようにあるわけですが、その中でも「もし既に読んでいたらすごくインパクトに残ったのでは?」と思っているのは次の3冊です。
 
「FACTFULNESS」
「Think CIVILITY」
「世界「倒産」図鑑」
 
正月休みにでも読みたいですね。
 
 
以上、今年の個人的に印象に残った本の振り返りでした。
 
 
皆さんの印象に残った本はなんですか?

(続)小休止のすすめ(ヒロミ・藤田晋)と「直感と論理をつなぐ思考法 VISION DRIVEN」むっちゃつながった話

前回は「小休止のすすめ」を「ザ・メンタルモデル」に照らし合わせていろいろ考えてみました。

 

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今回はもっといろんなことを書こうと思ったのですが、また1つ気づいてしまいました。「直感と論理をつなぐ思考法 VISION DRIVEN」ともかなり通じる部分があることを。ということでこの本と通じる部分をいろいろ書いてみたいと思います。

 

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ちなみに「直感と論理をつなぐ思考法」は、私のブログ記事で圧倒的なアクセス比率を誇る本なので(Google検索経由で来る)、かなり注目されている本なんだろうなと思います。

 

そしてこの本はどんな本かというと、「直感と論理をつなぐ」なので、感性とか直感とか、そんなアート的な要素をどう現実世界のロジックに繋いでいくかという、そんな興味を持って手に取った方も多いと思います(私もそうです)。

 

ですが、その「直感と論理をつなぐ思考」というのはあくまで手段の話で、対象を個人にフォーカスしますと、その目的というのは「どうやってこれからの100年人生を生きるか」という本なんですよね。なのでライフシフト系の本なんですよ。それを考えていくにあたって、「直感と論理をつないで考えていきましょう」という話です。

 

と、前置きはこれくらいにして、「小休止のすすめ」と重なる部分に移りますが、まずは添付の3枚目の絵を見ていただきたいんですね。これはこの本を象徴する有名な絵です。

※画像はDIAMOND online:【山口周×佐宗邦威】強い組織には「出世しないけれど面白い人」が必ずいる[VISION DRIVEN × NEW TYPE対談(1)]より拝借

 

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詳細は省きますが、この絵は、手前が「カイゼンの農地」左奥が「戦略の荒野」右奥が「デザインの平原」そして真ん中の奥が「人生芸術の山脈」と呼ばれていて、私もそうでしたが多くの人が「カイゼンの農地」で一生懸命働いていて、外資系のアップorアウトの人は「戦略の荒野」で死屍累々の戦いをしていて、クリエイティブ系の人が「デザインの平原」で働いている、とまずは捉えます。

 

そして、どの「労働市場」で戦っている人も、いずれ行き詰まるときが来ます。そして本当は、楽しく活き活きと山登りしている人たちがいる「人生芸術の山脈」に行きたいんだけど、その境界には大きな谷が横たわっていて行けない 笑

 

そこでふと図の真ん中に目をやると、大きな穴が空いていて、その穴に飛び込むと地下エリアに降りていきます。そして、その地下エリアはいわば「内省の部屋」なんですね。

 

「自分は本当はどういうことをしたいんだろうか」

 

ということをじっくり考える部屋です。

そして内省を深めた結果、「これをやりたい」ということが見えてきたら、地下から「人生芸術の山脈」を登り始めることができるんですね。

 

このように「自分本来の人生を生きる」という「人生芸術の山脈」を登るには、「一旦穴に落ちる」という遠回りが必要ということなんです。

 

そして著者の佐宗さんは、この「穴に落ちる」ということを「余白を作る」という表現を用いています。

 

「デザインの平原」や「戦略の荒野」で頑張り続ける「他人モードの人生」ではなく、「自分モードの人生」で生きるためには

 

「落ち着いてじっくり内省するための、余白の確保」

 

が大事ということです。

 

と、「直感と論理・・・」の説明をしてきましたが、「小休止のすすめ」に話を戻しますと、この「穴に落ちて余白の時間を確保する」というのが、まさに「小休止」ということなんですね。ヒロミさんは、まさに自ら穴に飛び込みました。テレビ業界が地上の世界とすると、10年間地下に降りた感じです。その余白の時間で内省し、試行錯誤しながら人生芸術の山脈を登り始め、今再び地上に出てきた、そんなふうに捉えられるんじゃないかと思います。

 

ただ、それをサラリーマンに当てはめた場合、「そんな長期間地下に降りられんよ」という話になりますよね。

 

で私の考えは、週末など仕事以外の時間で、できるだけ「余白」を確保して穴に飛び込み、仕事の時間になったらまた地上に戻って仕事をするという形で、地上と地下の往復を繰り返し、時間をかけて内省を進めればいいんじゃないかと思っています。

 

そして、その地下に入ったときに、内省をより効果的に進められることを支援するのがまさに私がこれから本格的にスタートさせようとしているライフシフト講座だったりします(今ホームページ作りで絶賛悪戦苦闘中ですがw)。著者の佐宗さんとは具体的なアプローチが異なるだけで、目指す方向性は全く一緒なんですよね。

 

ほんとはもっと書きたいことがあるのですが、ここまででずいぶん長くなってしまいましたので、ちょっとこの辺で終えておきます。

 

前回の「ザ・メンタルモデル」といい、今回の「直感と論理をつなぐ思考法」といい、いろいろつながるなぁと感じるとともに、それだけつながるということは、それが本質ってことなんだろうなぁと改めて感じた話でございました。

 

おしまい。

 

小休止のすすめ(ヒロミ・藤田晋)と「ザ・メンタルモデル」がむっちゃつながった話

以前、本は読んでいませんでしたが、ヒロミさんが本書を刊行された際のWEB記事を読み、ヒロミさんを「マイ・インターン」に出てくるロバート・デ・ニーロ扮する「ベン」に重ね合わせて、こんなブログ記事を書きました。

 

 

 

そして今回、改めて本書を読みましたので、また違う視点で感想を書いてみたいと思います。

 

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この本は、「小休止」というテーマで、それにまつわるいろんなキーワードをあげて、それらに対して、ヒロミさんと、ヒロミさんの友人であるSAの藤田晋さんがそれぞれ考えを述べていくという形を取っています。

 

両者のコメントのうち、どちらのコメントに共感するか、それは人それぞれの価値観によって異なってくると思いますが、私は圧倒的にヒロミさんのほうに共感する部分が多かったので、ヒロミさんのコメントにフォーカスして書いてみたいと思います。

 

このヒロミさんの小休止、具体的には一時的にテレビから離れて再び戻った話ですが、いろんな側面から語れるなぁと思っていて、何から書こうか迷う感じです(^^;)

 

ということで思いつくままに書くとですが、今年印象に残った本の1つに「ザ・メンタルモデル」という本があってですね。

 

荒木マスターの「今日のフライヤー」でも紹介されていたので聞いたことのある方はいらっしゃるかと思いますが、この本が示唆するところとヒロミさんに起こったこと、そこから取られた行動というのが一致するんです。

 

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「ザ・メンタルモデル」では、人はたいてい「適合期」という、生きていくために周囲の環境に一生懸命適合していく人生を歩んでいくんですが、あるとき、それでは上手くいかなくなる「直面期」というのに遭遇すると言われているんですね。

 

その「直面期」というのは、「あなたが本来進む方向はそっちじゃないですよ」というのをハードシングズな出来事などで知らせてくれるタイミング、ということなのですが、その「直面期」に出くわした後どうするかで人生がかなり変わってくると言われています。

 

で、多くの人は「直面期」の出来事に真正面からぶつかって、必死に歯を食いしばって、しがみついて乗り越えようとして、そのまま一生、自分本来の人生を生きることなく、周囲にあわせる適合期で人生を終えてしまうとのことです。

 

一方で、「直面期」において自分の痛みとしっかり向き合えた人は、自分本来の進むべき道へと軌道修正し、「自己統合期」「表現期」を経て「自己実現期」へと至るという、そんな考え方が示された本なんですね(それだけじゃないですけど)。

 

で、ヒロミさんはまさにテレビから必要とされなくなった時期が直面期に該当すると思うんですよね。

 

そのとき、その流れに抗って哀れな姿をさらしながらもテレビ業界にしがみつくこともできたわけですけど、ヒロミさんは自分の痛み、すなわち「今のテレビ業界で自分は必要とされなくなった」ということを受け入れ、潔く身を引きます。

 

ヒロミさんは山を「下山する」と表現されていましたけど、直面期に逃げずに向き合って、まずは山を下りたということですね。

 

ここから思いっきり遊んだり、ジムを経営したりということで軌道修正する旅が始まるのですが、ここでいろんなことに気づかれて、詳しい内容は省略しますが、生き方や考え方をシフトされます。このあたりが「自己統合期」「表現期」に該当するのではないかと。

 

そしてそうこうしているうちに、ふとしたきっかけで、奥さんの松本伊代さんに関係する番組だったんですけど、その番組出演をきっかけに、新たなBeingにシフトされたヒロミさんがまたテレビに求められ、「自己実現期」に到達して今に至っている、といえるのではないかと。

 

そう考えるとですね、

 

周囲への適合に限界が来て、ダメになった自分を受け入れ

そこからしっかり内省して本来の自分の生きる道を模索し

それを見つけて自分と統合し

そこから新たな道を進み始めることで本当の意味ので自分の人生が始まる

 

そんなことを考えさせられた本でございました。

 

と、ほかにも書きたいこといろいろあるのにメンタルモデルだけでこのボリュームになってしまった。。。。

 

続きはまた次回にしたいと思います。

 

おしまい

 

女子の人間関係(水島広子)

いやー、勉強になりました(^^;)
 
いわゆる「女の敵は女」という文脈で出てくる女性どうしのコミュニケーションに出てくる嫌な部分を著者は「女」と表現し、それがなぜ起こるのか、その文脈で攻撃をしかけられたときどう返すのか、ということがいろんなパターンで書かれている本です。

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この「女」のようないわゆる「拗ね」のパターンは、男性にも起こりえることですが、男性と女性では起こる範囲が全然違うといいますか、男性の場合はある特定のコミュニティで発生しうるのですが、女性の場合はもうなんかそこら中にトラップが張り巡らされている感じで、いやーほんとお疲れ様です!とお茶の一杯でも出したくなる読後感でございました(^_^;)
 


ちなみに男性でこのパターンがよく出そうなコミュニティは、終身雇用の大企業ですね。
 


共通するキーワードは「選ばれる立場」です。
 


誰かから選ばれるという環境に身を置いていて、自分が選ばれなかったとき、その拗ねの感情が暴れだします。私も過去、結構暴れてました。。。当時の課長さんにはほんとごめんなさいという感じです( ̄▽ ̄;)
 


そしてこのような「拗ね」の感情に自分が支配されているとき、そこから抜けるために必要なことは、いわゆる自己客観化です。
 


この本に出てくる対処方法をいろいろ読んでで、それはつまるところ、例の「箱から出る」話であったり、田坂さんの言うところの「自分の中の小さなエゴを静かに見つめる」話のことだよなぁと。
 


また何かの心理学系の本で読んだのですが、「脱同一化」という話でもあります。
 


拗ねの感情は風邪のウイルスのようなものですので、それが刺激される場面に出くわすと、それこそ「拗らせて」暴れまわるということですね。
 


でもそれはあくまでウイルスであって、その人そのものではない。ウイルスにハイジャックされてしまっている感じなんですね。だから、自分自身が感染している場合は、「拗ねのウイルス」と「自分自身」をまずは切り離す。そして、ああいま拗ねのウイルスが反応したんだな、と客観的に静かに自分を見つめる。
 


そして落ち着いてから、自分は他者からどう「見られたいか」ではなく、自分はどう「生きたいのか」、自分はどう「振る舞いたいのか」、というようにあくまで自分軸で考える。これは幸福学でいうところの、地位財ではなく非地位財に意識を向けるという話でもあります。
 


そうすると「拗ね」の度合いが下がって、周りからみて魅力的な人となり、その結果「拗ね」度合が高い周りの人も、「拗ね」度合が下がったその人と接することで、「拗ね」の要素が癒されていく。これはまさに、相手を箱の外に出したければ、まずは自分が箱の外に出て、相手に接するという話と同じだぁなと。
 


そんなこんなで、自己客観化という視点でこれまで読んだいろんな本を思い出させてくれた、そんな本でございました。
 


おしまい。